双子の秘密
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#128 [ゆーちん]
「お前が初めてだわ。入学して1ヵ月なのに堂々と屋上でサボって昼寝してるやつ。」

「先生も昼寝すれば?すっごい気持ち良いんだよー。」

「いいよ。起きれなかったらヤバいし。」

⏰:08/12/08 21:01 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#129 [ゆーちん]
「アラームかけて寝ればいいんじゃない?」

「また今度な。斗美が昼寝してる隙に隣で添い寝しといてやるよ。」

「何で私が寝てる隙なの。」

「目が覚めたら王子様が隣で寝てるってロマンチックだろ〜、このこの〜。」

「アハハ。キモいし、王子様って誰だよー!バ〜カ。」

⏰:08/12/08 21:01 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#130 [ゆーちん]
こうして見つけたおさぼり友達。


次にサボった時には先生は来なかった。


その次も来なかった。


だけどその次は来た。

⏰:08/12/08 21:02 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#131 [ゆーちん]
いつも一緒にサボれるって訳じゃない。


先生だって授業があるんだから、いつもいつもサボってられないもんね。


だけど一緒にサボるとなれば、なぜか楽しくなれた。


昼寝せずに、くだらない話をする。


たったそれだけなのに、楽しくて安らげる時間だった。

⏰:08/12/08 21:03 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#132 [ゆーちん]
梅雨入りをした6月は屋上ではサボれない。


他にサボれる場所を探さないと。


先生はいつもどこでサボってんだろ。


屋上で話ている時に聞いておけばよかった。


学校内で先生とすれ違ってもお互い無視するし、連絡先ももちろん知らない。

⏰:08/12/08 21:04 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#133 [ゆーちん]
しばらくは先生とおさぼり出来ないのかなー、なんて思っていたら梅雨明けが訪れた。


驚く事に梅雨中、私は一度もサボらなかった。


迷っているうちに終わった梅雨期間。


授業に出ているのに、ちっとも賢くならない私。


太陽が暑く輝きだした。

⏰:08/12/08 21:04 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#134 [ゆーちん]
せみが鳴く。


うるさい。


屋上に上る。


暑い。


「久しぶりー。」

「やっぱり居た。居るような気がしてた。」


太陽より眩しい笑顔が煙草を手に持って、私を待ってくれていた。

⏰:08/12/08 21:05 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#135 [ゆーちん]
「しばらく見ない内に太ったんじゃない?」

「うるさい!」

「アハハ。嘘うそ。梅雨の間ずーっとサボらないで授業受けてたのー?」

「うん。屋上以外サボる場所知らないし。」

「俺も知らない。だから授業がない時はずーっと職員室で引きこもってた。」

⏰:08/12/08 21:06 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#136 [ゆーちん]
乾き過ぎて暑いくらいの屋上の床に座って、こう聞いた。


「私に会えなくて寂しかったでしょー?」


期待していたふざけた答えが返って来る事はなく、先生の笑顔がスッと消えた。

⏰:08/12/08 21:06 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#137 [ゆーちん]
「何でわかんのー。」


こうやって語尾を少し伸ばして喋る癖のある先生。


私はその口調が心地よくて安心できるの。


「何で俺が寂しかったって知ってんの?斗美も寂しかったの?」

「え?あ…いや、そうじゃなくて…えっと…」

⏰:08/12/08 21:07 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


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