双子の秘密
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#215 [ゆーちん]
私が説明をし終えると斗美は言った。
「あー、浮気か不倫って事?不倫ならある意味しょっちゅうかもね。あ、でも恋じゃないしなぁ。」
そう言って笑った斗美。
驚いた。
不倫を日常茶飯事にしている姉にただただ驚かされるばかりだ。
「そんなたくさん相手がいるの?」
:08/12/09 13:00 :SH901iC :8SSDAWso
#216 [ゆーちん]
「んー、どうだろ。つか何?斗羽、不倫でもしてんの?」
怪しく笑った斗美に、私の首は横に動いてた。
「…してないよ。」
「じゃ何でそんな事聞くのよ。斗羽みたいな優等生に不倫なんて言葉は無縁でしょ。」
:08/12/09 13:01 :SH901iC :8SSDAWso
#217 [ゆーちん]
「…違うよ。不倫なんか、してない。」
子供の頃から、嘘をつくとき小さな声になってしまう私の癖を斗美が気付いているなら、きっとバレただろう。
斗美は気付いたのか気付いてないのかはわからないが、私に背を向け、こう言った。
:08/12/09 13:02 :SH901iC :8SSDAWso
#218 [ゆーちん]
「不倫するなら、自分の信念貫き通す事だね。相手に彼女だろうが奥さんがいようが、辛いの覚悟で付き合うんだから。好きって気持ちを大事にすればいいんじゃない?」
最後に『お風呂に行く』と言い残し、斗美は一階に降りて行った。
私は『うん』と返事をしてから部屋へと戻った。
:08/12/09 13:02 :SH901iC :8SSDAWso
#219 [ゆーちん]
まさか、斗美に勇気付けられるなんて思ってなかった。
双子は嫌だ。
キョウダイなんていらない。
一人っ子がよかった。
そんな事を思った事もあったけど、改めて、斗美がいてくれてよかったと思えた。
:08/12/09 13:04 :SH901iC :8SSDAWso
#220 [ゆーちん]
励ましてくれた斗美は何とも思ってないだろうけど、励まされた私は凄く感謝してるよ。
双子でよかった。
キョウダイがいてよかった。
一人っ子じゃなくてよかった。
:08/12/09 13:05 :SH901iC :8SSDAWso
#221 [ゆーちん]
夏休みが迫った7月末。
いつものように学校が終わり、家に向かって歩いていた時だった。
携帯が鳴った。
《今日はバイト休み?》
画面に映る園田さんからのメールに、私の心は跳ね踊った。
:08/12/09 13:06 :SH901iC :8SSDAWso
#222 [ゆーちん]
《はい、休みです。園田さんは仕事ですよね?》
《21時で上がりなんだ。それから会わない?》
初めてのデート。
返事は決まっている。
《わかりました。》
私たちは堂々とデートできるカップルじゃない。
なのでデートと言うより、【密会】と言う言葉の方が合っているだろうか。
:08/12/09 13:07 :SH901iC :8SSDAWso
#223 [ゆーちん]
いつだったか、私は家に、園田さんはドラッグストアへと向かう時にバイバイした場所がある。
その近くの公園で待ち合わせ。
暗くて怖い夜道で待ち合わせ。
《公園に1人は危ないだろ。だから俺が到着したら連絡するから、それから来て。》
:08/12/09 13:09 :SH901iC :8SSDAWso
#224 [ゆーちん]
なんて優しい人なんだろう、って思った。
聡志の時もそうだけど、私は相手に優しくされたり、『好き』と言われるたびに相手を好きになるタイプだ。
園田さんの場合もそうなんだろうか。
だとすると、いつかは冷めてしまうのかな。
この気持ちは。
:08/12/09 13:10 :SH901iC :8SSDAWso
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