双子の秘密
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#228 [ゆーちん]
それからなかなか彼氏を作らない私を、ママは『また消極的な性格が出て、学校でも引っ込み思案な斗羽なのかしら。』って思っているみたい。


だけどママの心配はハズレ。


学校でも友達はたくさんいるし、人見知りも少し直ったよ。

⏰:08/12/09 13:17 📱:SH901iC 🆔:8SSDAWso


#229 [ゆーちん]
でもね、ママ。


彼氏はできないけど、私…不倫する人ができたの。


悪い事だってわかってるんだけど、辞められそうにないよ。


ママには絶対言えないし、友達にも言えない。


もちろん斗美にも。

⏰:08/12/09 13:18 📱:SH901iC 🆔:8SSDAWso


#230 [ゆーちん]
「あまり遅くならない内に帰ってきなさいよ?」

「うん。」


デートみたいな物だと思っているママは少し嬉しそうだった。


そんなに、私に彼氏ができたり恋をする事が幸せなんだろうか。


私の内気な性格を心配していたのはわかるけど…何だかな。

⏰:08/12/09 13:19 📱:SH901iC 🆔:8SSDAWso


#231 [ゆーちん]
軽くご飯を食べて、歯磨きして、最終チェックなんかしていたら携帯電話が鳴った。


「もしもし。」

「公園着いたよ。」

「すぐ行きます!」

「アハハ。慌てなくていいよ。気をつけてねー。」


電話を切って、家を飛び出した。


小走りで公園に向かえば5分とかからない。

⏰:08/12/09 13:21 📱:SH901iC 🆔:8SSDAWso


#232 [ゆーちん]
夜道を進むと公園の中で、園田さんが携帯電話を触っている姿が見えた。


「園田さんっ!」

「おっ!って、あぁー!」

私に気付いて驚いたのと、携帯から鳴り響く機械音にも驚く園田さん。

⏰:08/12/09 13:22 📱:SH901iC 🆔:8SSDAWso


#233 [ゆーちん]
「どうしました?」

「…ゲームオーバー。」


見せてくれた画面には虚しい文字が並んでいた。


「アハハ。ゲームしてたんですか。」

「うん。でも来るの早かったね。」

「すぐ近くなんで。」

「走って来たの?」

「え?いや…別に。」


小声になる私。

⏰:08/12/09 13:24 📱:SH901iC 🆔:8SSDAWso


#234 [ゆーちん]
走ったなんて、なんだか少し恥ずかしくってさ。


俯いていると園田さんは私の手を握った。


「車あっちに停めてあるから。行こっか。」

「…はい。」


短く、甘い、デートが始まるんだ。

⏰:08/12/09 13:24 📱:SH901iC 🆔:8SSDAWso


#235 [ゆーちん]
◆◇◆◇◆◇◆

初めてのデート

◆◇◆◇◆◇◆

⏰:08/12/09 13:25 📱:SH901iC 🆔:8SSDAWso


#236 [ゆーちん]
園田さんの車は、居心地が悪かった。


奥さんも乗っているのだろうか。


所々、奥さんの趣味が出ている。


娘さんが使うようなタオルも後部座席に忘れている。

⏰:08/12/09 13:26 📱:SH901iC 🆔:8SSDAWso


#237 [ゆーちん]
『どこ行きたい?』なんて園田さんは聞かなかった。


ただ車をスイスイ走らせるだけ。


嫌な気分になりつつ、園田さんの時々見せてくれる笑顔でまた幸せになれる。


天国と地獄の差が激しいんだね、不倫って。

⏰:08/12/09 13:27 📱:SH901iC 🆔:8SSDAWso


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