双子の秘密
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#336 [ゆーちん]
《バイト帰りにコンビニでドレッシング買って来て!斗羽が好きな味でいいよ。》
ママからだった。
ドレッシングって。
きっとサラダを作ったのはいいがドレッシングが切れていたか、私が帰る前に使い切ってしまったか。
《はーい。》
:08/12/10 19:19 :SH901iC :0Xqg4XG.
#337 [ゆーちん]
私は進路報告を変え、コンビニに向かって歩いた。
「いらっしゃいませ。」
店内は驚くぐらい涼しかった。
フレンチドレッシングとアイスを買って、レジに並ぼうと足を進めた時。
「きゃっ!」
「っ、と。ごめんなさい!」
:08/12/10 19:20 :SH901iC :0Xqg4XG.
#338 [ゆーちん]
誰かにぶつかってしまい、商品を床に落としてしまった。
ぶつかった相手は慌てて床に転がったドレッシングとアイスを拾ってくれた。
「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
「こっちこそ、ごめんなさい。私は大丈夫です。」
:08/12/10 19:21 :SH901iC :0Xqg4XG.
#339 [ゆーちん]
男性と目が合う。
同時にお互い、アレ?という表情を浮かべた。
「あの、どこかで会いませんでしたっけ?」
「ですよね。えーっと…」
会った事があるのに、どこで会ったのかわからない。
この人が誰なのかもわからない。
だけど顔だけは覚えている。
:08/12/10 19:23 :SH901iC :0Xqg4XG.
#340 [ゆーちん]
「私、駅前のカフェでバイトしてるんですけど、もしかしてお客さんで来ていただいたとか?」
「あ、それだ。斗羽ちゃんだ!」
「え?」
「恵の友達の!」
「…あぁ!恵の彼氏さんだ!」
:08/12/10 19:24 :SH901iC :0Xqg4XG.
#341 [ゆーちん]
あれはまだ私と園田さんが不倫関係なんかになってもいなかった時。
恵とのデートでバイト先に来てくれたんだ、この人。
確か名前は…
「たっくん!」
「アハハ。恵だけだよ、そう呼ぶの。」
「お名前何て言うんですか?」
「太一。」
:08/12/10 19:25 :SH901iC :0Xqg4XG.
#342 [ゆーちん]
「あぁ、だからたっくんか。」
妙な親近感が沸く。
私が支払いを済ませると、太一くんも支払いを済ませ、一緒に店内を出た。
友達でも何でもないのに、なぜか人見知りにもならず気楽に会話ができた。
:08/12/10 19:25 :SH901iC :0Xqg4XG.
#343 [ゆーちん]
「何買ったの?」
「アイスとガム。」
「私もアイス買ったよ。それにドレッシングも。」
「知ってる。さっき拾ったから。」
「あ、そっか。」
「ハハッ。どっかで一緒に食べようよ、アイス。」
「じゃあこの近くに公園あるから、そこに行く?」
「うん。」
:08/12/10 19:38 :SH901iC :0Xqg4XG.
#344 [ゆーちん]
何、この展開。
普通おかしいよね。
友達の彼氏と公園?
しかも夜に。
会うの二回目って言うか、ほとんど初めてって言ってもいいぐらい。
おかしいってわかってはいるんだけど、5分後には太一くんと並んでブランコに座りながらアイスを食べていた。
:08/12/10 19:38 :SH901iC :0Xqg4XG.
#345 [ゆーちん]
「じゃあ同じ歳なんだね。」
「うん。斗羽ちゃん彼氏とかいないの?」
「んー、どうだろ。」
「複雑なの?」
「うん、まぁ…」
誰にも話せないからこそ、初対面にも近い太一くんになら心を開けるのかもしれない。
:08/12/10 19:39 :SH901iC :0Xqg4XG.
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