双子の秘密
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#468 [ゆーちん]
「今まで彼氏ができても援交辞めようなんて思わなかったけど、今の彼氏は初めて辞めたいって思えた人なの。」
「…本気なのか?」
「本気。だから援交なんかしてるってバレたら…彼氏が悲しむでしょ?悲しませたくないの。」
今すぐにでもここを飛び出して、携帯電話から淀江さんの連絡先を消す事だってできる。
:08/12/11 10:49 :SH901iC :uyR.lwfs
#469 [ゆーちん]
だけどそんな事したら、後々大変だってわかる。
この人は執念深い人。
2年付き合って、わかったの。
私をストーカーしたり、金を返せと言って来るかもしれない。
先生にも迷惑をかけるだろう。
:08/12/11 10:49 :SH901iC :uyR.lwfs
#470 [ゆーちん]
初めて話しかけて来てくれた、あの優しい淀江さんはもういない。
納得いかない顔で、私を睨む。
「どうして最近の若い子は、こうもわがままなんだ。」
「ごめんなさい。でも、もう決めたの。彼氏以外とはヤんないって。」
:08/12/11 10:50 :SH901iC :uyR.lwfs
#471 [ゆーちん]
「君みたいな子が辞めるなんて、勿体なくて頭が痛いよ。」
「私も頭が痛い。どうして援交なんて始めたんだろって、後悔してるよ。」
「…。」
それから淀江さんは何も言ってこなかった。
:08/12/11 10:51 :SH901iC :uyR.lwfs
#472 [ゆーちん]
「淀江さんには本当に感謝してる。淀江さんあっての私だったから。だけどもう決めたの。辞めるって。淀江さんにはちゃんと話したかったから。今日は忙しいのにわざわざありがと。」
「…もういい。わかった。君とは、これっきりだ。」
淀江さんは伝票を手に取り、レジで会計を済ませ、店から出て行った。
私を一度も見ずに。
:08/12/11 10:52 :SH901iC :uyR.lwfs
#473 [ゆーちん]
誰もいなくなった目の前の席を見た途端、急に嬉しさが込み上げた。
…終わった。
私の援交生活は終わったんだ。
とんでもない開放感に満ち溢れながら、私も店を出た。
:08/12/11 10:53 :SH901iC :uyR.lwfs
#474 [ゆーちん]
足は自然と910号室に向かっていた。
ブランド物のキーケースから合い鍵取り出し、中に入る。
このキーケースだって、淀江さんからもらった物だ。
捨てるべきか、返すべきか。
…どっちも嫌。
:08/12/11 10:54 :SH901iC :uyR.lwfs
#475 [ゆーちん]
辞めたと思った途端、急に焦りが出た事は隠せなかった。
もらったブランド物を捨てるなんて勿体なくてできない。
だからって使わないのは、この品物に対して悪いでしょ。
これを売ったらいくらになるかな、とか…そんな事を考えてしまう。
それも、先生の部屋の中で。
:08/12/11 10:55 :SH901iC :uyR.lwfs
#476 [ゆーちん]
先生はまだ帰って来ていなかった。
午前中に掃除と洗濯を済ませてから、淀江さんに会いに行ったので、夕方のこの時間、する事がなくて暇だった。
よく考えれば、ほとんど毎日のように援交して、こんな赤い太陽をこの部屋から見るなんて事は滅多になかった。
:08/12/11 10:56 :SH901iC :uyR.lwfs
#477 [ゆーちん]
だけどこれからは毎日見れるんだという事実が、私の心を弾ませてくれた。
今まで稼いだお金は、ちゃんと通帳に入っている。
プレゼントされたブランド物だって、たくさんある。
:08/12/11 10:56 :SH901iC :uyR.lwfs
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