双子の秘密
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#485 [ゆーちん]
「亮治!」
「…え?」
「返事は、はい!」
「はい…」
「何、その気の抜けるような返事。」
「だって…斗美が下の名前で呼ぶから。」
「悪い?」
「悪くないけど…その呼び方、お袋に叱られる時の呼び方に似てたからビビった。」
:08/12/11 11:05 :SH901iC :uyR.lwfs
#486 [ゆーちん]
普段は【先生】って呼んでいるので、滅多に【亮治】なんて呼ばない。
甘える時か…怒った時だけ。
「お袋だと思ってビビっただ?こんの…へたれ野郎!」
「何、何よ。ごめんって。何怒ってんの。生理?」
「今日は何月何日!?」
「8月31日。」
:08/12/11 11:06 :SH901iC :uyR.lwfs
#487 [ゆーちん]
「明日から9月だね!」
「そうですね。新学期ですね。宿題終わりましたか?」
「終わってる訳ないでしょ。明日から新学期ってわかってて、この有様はわざと?」
時刻は夜の8時。
お風呂上がりの先生は、パンツ1枚でソファーでくつろいでいた。
:08/12/11 11:08 :SH901iC :uyR.lwfs
#488 [ゆーちん]
「何?宿題見て欲しいの?」
怯えた顔が妙に可愛かったけど、そんなんじゃ怒りは静まらないよ。
「宿題なんかどーでもいい。」
「じゃあ何に怒ってるんですかー?」
「私だってビックリだよ。亮治さんが、この夏休み中、1回しか、デートに、連れてって、くんなかったんだからっ!」
:08/12/11 11:09 :SH901iC :uyR.lwfs
#489 [ゆーちん]
一言一言、リアクションを付けながら訴えた。
「…エヘッ。」
なのに先生はとぼけた顔をしただけ。
「笑って済ませないで下さーい!今からでも遅くないよ。デート行こっ。夜景連れてってもらってないもん!」
:08/12/11 11:10 :SH901iC :uyR.lwfs
#490 [ゆーちん]
「あー…夜景。」
先生は曖昧な返事をした。
「覚えてないの?夏休み前、私が海連れってって言ったら山ならいいって。夜景連れてってやるって言ったじゃんかー!今日で夏休み終わるんですけどー!」
「こういうとこだけ記憶力いいんだな。」
:08/12/11 11:12 :SH901iC :uyR.lwfs
#491 [ゆーちん]
「忘れてたの?最悪!先生なんか嫌い!」
すねた私はリビングから逃げ出した。
脱衣所で服を脱ぎ捨て、湯舟に飛び込む。
「と〜みちゃん。」
扉の向こうで先生が私を呼んだ。
「そんな子いないよ!」
「ごめんねー。どっこも連れてってやれなくて。」
:08/12/11 11:12 :SH901iC :uyR.lwfs
#492 [ゆーちん]
仕事が忙しかったのはわかってるんだ。
お盆休みも少なくて、実家に帰るか私と遊ぶか真剣に悩んでくれてた事も知ってる。
今年のお正月も帰省していないって言ってたから、『実家帰った方がいいよ。』って勧めたのも私。
「ねぇ。」
「ん?」
:08/12/11 11:13 :SH901iC :uyR.lwfs
#493 [ゆーちん]
「私ってわがままなのかな。」
「うーん。どうだろ。」
「デート出来ないから毎日この部屋に転がり込んで、好き勝手させてもらって…なのにデートしたいって。わがままだよね。」
「それはわがままじゃないよ、別に。」
:08/12/11 11:14 :SH901iC :uyR.lwfs
#494 [ゆーちん]
先生はそう言ってくれたけど、わがままだってわかってた。
でもね、わがままだって言いたくなるんだよ。
援交辞めて、これから先生漬けになれるって楽しみだったのに…ちょっと寂しかったんだよ。
「ごめんなさい。夜景はまた今度でいいや。」
:08/12/11 11:15 :SH901iC :uyR.lwfs
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