双子の秘密
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#507 [ゆーちん]
「たっくんに頼んで、誰か紹介してもらおっか?」


たっくんねぇ…。


そのたっくんとも付き合っちゃったんだよ、私。


恵、今目の前にいる私はたっくんの浮気相手だよ。


「仲良しだね。恵と彼氏。」

⏰:08/12/11 11:54 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#508 [ゆーちん]
「仲良しだよぉ!夏休み中はあんまり会えなかったんだけど、毎日連絡くれたし。」

「別れの危機とかなかったの?」

「危機?ぜ〜んぜんっ!超ラブラブだよ。」


ラブラブ。


その言葉に嫉妬した。

⏰:08/12/11 12:18 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#509 [ゆーちん]
「いいね、ラブラブ。」

「エヘッ。絶対結婚するからねー。」


恵とは別れるって、あの日言ってたのに。


別れる気なんか更々ないんじゃん。


「結婚式呼んでね!」


作り笑顔を残し、私は恵とバイバイした。


これ以上聞きたくない。

⏰:08/12/11 12:19 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#510 [ゆーちん]
《いいよ。》


太一くんに返事をして、そのままポケットに携帯電話を入れた。


9月の風はまだ温かい。


夜になれば涼しくなるだろうか。


夜になれば私の悩みは軽くなっているだろうか。

⏰:08/12/11 12:20 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#511 [ゆーちん]
太一くんときちんと終わらせている事を願いながら、バイトに向かった。


こんな日に限って園田さんは休み。


顔が見たかったのに…タイミングの悪魔にでも取り付かれてんじゃないかな、私。


「いらっしゃいませ。」


レジで笑顔を売るバイトが始まった。

⏰:08/12/11 12:21 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#512 [ゆーちん]
一生懸命笑顔を作った。


心が不安定なせいでミスが出てしまわないように仕事に集中した。


おかげで上がりの時間までものすごく早かった。


「お疲れ様でした。」


毎日歩き慣れた暗い夜道を少し急ぎ足で歩く。

⏰:08/12/11 12:21 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#513 [ゆーちん]
《着いたよ。》


そんなメールが10分前に受信してあったから。


小走りで公園に向かうと、ベンチに座りながら携帯電話を触っている太一くんがいた。


「…お待たせ。」

「あ、斗羽ちゃん。」


私に気付いた太一くんは携帯電話をポケットに入れた。

⏰:08/12/11 12:22 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#514 [ゆーちん]
隣に座った途端、太一くんは口を開いた。


「久しぶり。」

「うん、久しぶり。」

「元気だった?」

「元気だよ。太一くんは?」


こんな話をしてる場合じゃない。


ちゃんと話を切り出さないと。


「元気じゃない。」

「え?どうかしたの?」

⏰:08/12/11 12:23 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#515 [ゆーちん]
「斗羽ちゃんに別れようって言われた。」


ありがたい事に太一くんから話を切り出してくれた。


「その事なんだけど、好きな人がいるんだ。だから太一くんとは付き合えない。」

「…。」


太一くんは何も言わずに私を見ていた。

⏰:08/12/11 12:27 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#516 [ゆーちん]
「前に言ったでしょ?複雑なの、この恋は。太一くんが絡むと余計に複雑なる。」


少しキツい言い方だった。


これで私が嫌われればいいのに。


なのに太一くんは引かなかった。


「2番目でもいいから…別れるなんて言わないで。」

⏰:08/12/11 12:28 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


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