双子の秘密
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#508 [ゆーちん]
「仲良しだよぉ!夏休み中はあんまり会えなかったんだけど、毎日連絡くれたし。」
「別れの危機とかなかったの?」
「危機?ぜ〜んぜんっ!超ラブラブだよ。」
ラブラブ。
その言葉に嫉妬した。
:08/12/11 12:18 :SH901iC :uyR.lwfs
#509 [ゆーちん]
「いいね、ラブラブ。」
「エヘッ。絶対結婚するからねー。」
恵とは別れるって、あの日言ってたのに。
別れる気なんか更々ないんじゃん。
「結婚式呼んでね!」
作り笑顔を残し、私は恵とバイバイした。
これ以上聞きたくない。
:08/12/11 12:19 :SH901iC :uyR.lwfs
#510 [ゆーちん]
《いいよ。》
太一くんに返事をして、そのままポケットに携帯電話を入れた。
9月の風はまだ温かい。
夜になれば涼しくなるだろうか。
夜になれば私の悩みは軽くなっているだろうか。
:08/12/11 12:20 :SH901iC :uyR.lwfs
#511 [ゆーちん]
太一くんときちんと終わらせている事を願いながら、バイトに向かった。
こんな日に限って園田さんは休み。
顔が見たかったのに…タイミングの悪魔にでも取り付かれてんじゃないかな、私。
「いらっしゃいませ。」
レジで笑顔を売るバイトが始まった。
:08/12/11 12:21 :SH901iC :uyR.lwfs
#512 [ゆーちん]
一生懸命笑顔を作った。
心が不安定なせいでミスが出てしまわないように仕事に集中した。
おかげで上がりの時間までものすごく早かった。
「お疲れ様でした。」
毎日歩き慣れた暗い夜道を少し急ぎ足で歩く。
:08/12/11 12:21 :SH901iC :uyR.lwfs
#513 [ゆーちん]
《着いたよ。》
そんなメールが10分前に受信してあったから。
小走りで公園に向かうと、ベンチに座りながら携帯電話を触っている太一くんがいた。
「…お待たせ。」
「あ、斗羽ちゃん。」
私に気付いた太一くんは携帯電話をポケットに入れた。
:08/12/11 12:22 :SH901iC :uyR.lwfs
#514 [ゆーちん]
隣に座った途端、太一くんは口を開いた。
「久しぶり。」
「うん、久しぶり。」
「元気だった?」
「元気だよ。太一くんは?」
こんな話をしてる場合じゃない。
ちゃんと話を切り出さないと。
「元気じゃない。」
「え?どうかしたの?」
:08/12/11 12:23 :SH901iC :uyR.lwfs
#515 [ゆーちん]
「斗羽ちゃんに別れようって言われた。」
ありがたい事に太一くんから話を切り出してくれた。
「その事なんだけど、好きな人がいるんだ。だから太一くんとは付き合えない。」
「…。」
太一くんは何も言わずに私を見ていた。
:08/12/11 12:27 :SH901iC :uyR.lwfs
#516 [ゆーちん]
「前に言ったでしょ?複雑なの、この恋は。太一くんが絡むと余計に複雑なる。」
少しキツい言い方だった。
これで私が嫌われればいいのに。
なのに太一くんは引かなかった。
「2番目でもいいから…別れるなんて言わないで。」
:08/12/11 12:28 :SH901iC :uyR.lwfs
#517 [ゆーちん]
何でそんな事言うのかがわからない。
「私は太一くんの2番目なんて嫌だよ。」
「何言ってんの。斗羽ちゃんは1番だから。」
「嘘つかなくていいよ。恵と今日話したの。毎日たっくんはメールくれるって。結婚するんだって。」
:08/12/11 12:29 :SH901iC :uyR.lwfs
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