双子の秘密
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#617 [ゆーちん]
いつもどこかに奥さんとの愛を潜めて、私に笑ったりキスしたり抱きしめたりしてたのかな。
…涙は出なかった。
出たのは溜め息だけ。
もう、終わりだ。
キリがついた。
あんな姿見せられて、これ以上付き合えないよ。
:08/12/11 14:17 :SH901iC :uyR.lwfs
#618 [ゆーちん]
《映画には行かないです。もう会うのも辞めましょう。奥さんと仲良くしてください。元気な赤ちゃんが生まれますように。》
最後の文は嫌味だった。
二人の姿を見たよ、っていう皮肉たっぷりの言葉。
もう園田さんに愛を囁かれる事はない。
:08/12/11 14:18 :SH901iC :uyR.lwfs
#619 [ゆーちん]
前のように優しくされても、丸め込まれたりなんかしない。
ちゃんと断れる。
最初から不毛な恋だったんだ。
クリスマスイヴに終わった恋。
何もこんなイベントに終わらなくても…。
でも、こんな恋にはピッタリの終わり方だったのかもね。
:08/12/11 14:19 :SH901iC :uyR.lwfs
#620 [ゆーちん]
嫌な事は重なる物で、私にはもう一つ辛い事が降りかかってきた。
コンビニに寄ったのがいけなかったんだ。
「斗羽ちゃんっ!」
恵の笑顔の後ろには、目を反らす太一くんがいた。
「バイト帰り?」
「あ、うん…」
:08/12/11 14:21 :SH901iC :uyR.lwfs
#621 [ゆーちん]
「私は今からたっくんち。お菓子買いに来たんだぁ。」
「そうなんだ。」
私の笑顔は引きつっていなかった?
太一くんの笑顔は、引きつってたよ。
「斗羽ちゃんは明日どうするの?バイト?」
「バイトは休み。」
「じゃあ誰かと出掛けるの?」
:08/12/11 14:21 :SH901iC :uyR.lwfs
#622 [ゆーちん]
太一くんは私を見ない。
何でよ。
こっち見てよ。
せっかく会えたのに。
「彼氏と過ごすの。」
小声になった私。
だって嘘だもん。
彼氏なんかいない。
「彼氏いたんだぁ!今度紹介してね?」
「…うん。」
「じゃあまた遊ぼうね!」
:08/12/11 14:22 :SH901iC :uyR.lwfs
#623 [ゆーちん]
支払いを済ませていた二人はコンビニから出て行く。
その瞬間、私は見逃さなかった。
太一くんから恵の手を繋ぎに行った事。
そんな連続で繋いだ手は見たくないよ。
:08/12/11 14:23 :SH901iC :uyR.lwfs
#624 [ゆーちん]
もう太一くんとも終わりだって思った。
私から別れを切り出さなくても、太一くんはわかってくれたはず。
彼氏いるって嘘ついて、自分以外にもそういう相手がいるんだって思えばいい。
あれが私の精一杯の反抗。
最後の意地悪だよ。
…もう何もいらない。
:08/12/11 14:23 :SH901iC :uyR.lwfs
#625 [ゆーちん]
夜道を歩いていると、やっぱり携帯電話が鳴った。
《彼氏できたの?》
太一くんから。
やっぱりそこに食いついて来たか。
恵に隠れて送って来たんだ。
《太一くんに関係ない。恵と仲良くね。もう終わりにしよう。バイバイ。》
:08/12/11 14:24 :SH901iC :uyR.lwfs
#626 [ゆーちん]
それだけ送るともう返事は来なかった。
園田さんからも返事なし。
本当に終わったんだ。
もう期待はしない。
もう2番目は辞めよう。
「ただいま。」
玄関に入るとちょうど斗美がブーツを履いているところだった。
:08/12/11 14:26 :SH901iC :uyR.lwfs
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