双子の秘密
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#620 [ゆーちん]
嫌な事は重なる物で、私にはもう一つ辛い事が降りかかってきた。
コンビニに寄ったのがいけなかったんだ。
「斗羽ちゃんっ!」
恵の笑顔の後ろには、目を反らす太一くんがいた。
「バイト帰り?」
「あ、うん…」
:08/12/11 14:21 :SH901iC :uyR.lwfs
#621 [ゆーちん]
「私は今からたっくんち。お菓子買いに来たんだぁ。」
「そうなんだ。」
私の笑顔は引きつっていなかった?
太一くんの笑顔は、引きつってたよ。
「斗羽ちゃんは明日どうするの?バイト?」
「バイトは休み。」
「じゃあ誰かと出掛けるの?」
:08/12/11 14:21 :SH901iC :uyR.lwfs
#622 [ゆーちん]
太一くんは私を見ない。
何でよ。
こっち見てよ。
せっかく会えたのに。
「彼氏と過ごすの。」
小声になった私。
だって嘘だもん。
彼氏なんかいない。
「彼氏いたんだぁ!今度紹介してね?」
「…うん。」
「じゃあまた遊ぼうね!」
:08/12/11 14:22 :SH901iC :uyR.lwfs
#623 [ゆーちん]
支払いを済ませていた二人はコンビニから出て行く。
その瞬間、私は見逃さなかった。
太一くんから恵の手を繋ぎに行った事。
そんな連続で繋いだ手は見たくないよ。
:08/12/11 14:23 :SH901iC :uyR.lwfs
#624 [ゆーちん]
もう太一くんとも終わりだって思った。
私から別れを切り出さなくても、太一くんはわかってくれたはず。
彼氏いるって嘘ついて、自分以外にもそういう相手がいるんだって思えばいい。
あれが私の精一杯の反抗。
最後の意地悪だよ。
…もう何もいらない。
:08/12/11 14:23 :SH901iC :uyR.lwfs
#625 [ゆーちん]
夜道を歩いていると、やっぱり携帯電話が鳴った。
《彼氏できたの?》
太一くんから。
やっぱりそこに食いついて来たか。
恵に隠れて送って来たんだ。
《太一くんに関係ない。恵と仲良くね。もう終わりにしよう。バイバイ。》
:08/12/11 14:24 :SH901iC :uyR.lwfs
#626 [ゆーちん]
それだけ送るともう返事は来なかった。
園田さんからも返事なし。
本当に終わったんだ。
もう期待はしない。
もう2番目は辞めよう。
「ただいま。」
玄関に入るとちょうど斗美がブーツを履いているところだった。
:08/12/11 14:26 :SH901iC :uyR.lwfs
#627 [ゆーちん]
「あー、おかえり。」
「ただいま。今から出掛けるの?」
「ううん。忘れ物取りに来ただけ。」
「そう。」
靴を脱いで私は中に入った。
すると後ろから斗美が言った。
「いいこと教えてあげよっか?」
「何?」
振り返るとブーツを履き終えた斗美が笑ってた。
:08/12/11 14:26 :SH901iC :uyR.lwfs
#628 [ゆーちん]
「30分ぐらい前かな。私が戻ってきた時、外に聡志来てたよ。」
「…聡志?」
「10分ぐらい待ってたけど帰った。」
「何しに来たんだろ。」
「さぁ?今日クリスマスイヴだし、意味ありげだね。」
斗美の笑顔はいつものように怪しい。
何か企んでいるような、そんな笑顔。
:08/12/11 14:27 :SH901iC :uyR.lwfs
#629 [ゆーちん]
「…連絡してみるよ。」
「いい事あるといいね。そんじゃ、よいクリスマスを!」
そう言って短いスカートから伸びる足を弾ませ、外に飛び出そうとした。
「あ、ねぇ斗美!」
ピタッと足を止め、『何?』と言う姉。
:08/12/11 14:28 :SH901iC :uyR.lwfs
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