双子の秘密
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#62 [ゆーちん]
「はぁーあ。可愛いね、斗羽。本当ムカつく。処女って言っただけでそんな純粋に恥ずかしがっちゃってさ。いつから私たち、こうも違っちゃったのかな。」
斗美の笑顔が消えた。
「斗美が…離れて行ったんじゃない。」
「はぁ?その言葉そのまま斗羽に返す。」
:08/12/08 19:08 :SH901iC :xLeVnYmI
#63 [ゆーちん]
「いきなりピアス開けたり髪の毛染めたり…斗美から離れてったんだよ?」
斗美の目が恐かった。
「何言っちゃってんの。斗羽が頭よくて運動できて、いつの間にか成績表は見違えるくらいの差ができて…私は斗羽と比べられんのが大っ嫌いだったの。」
:08/12/08 19:09 :SH901iC :xLeVnYmI
#64 [ゆーちん]
「それは勉強しない斗美が悪いんじゃない!」
「そうだよ。バカな私が悪いの。見た目が同じなのに中身は違う。比べられてバカにされて…だから私は外見を変えたの。斗羽と私は違うんだから、って皆に見せ付けたかったの。」
雷に打たれた気分だった。
:08/12/08 19:09 :SH901iC :xLeVnYmI
#65 [ゆーちん]
双子の悩みは…ある意味似ていたんだ。
私たちは互いに比べられるのが嫌。
私は私なんだよ、と心の中でいつも思っていた。
なんだ…一緒だったんだ。
双子ならではの悩みは、やっぱお互い抱えてしまうものなんだね。
:08/12/08 19:10 :SH901iC :xLeVnYmI
#66 [ゆーちん]
『私も悩んでた。』とは言わなかった。
私が斗美の外見を真似ようとした事で、余計に苦しめてしまっていた。
私が悪いところもあったのだから、今は謝るしかない。
:08/12/08 19:10 :SH901iC :xLeVnYmI
#67 [ゆーちん]
「ごめん。斗美の悩みに気付かなかった。」
「これ以上真似してきたら殴るよ?」
「女の子なんだから、殴るとか言っちゃダメだよ。」
「ったく。いちいちウザい妹。斗羽のがしっかりしてんだから、あんたが姉だったらよかったのにね。」
:08/12/08 19:11 :SH901iC :xLeVnYmI
#68 [ゆーちん]
斗美は舌打ちをしてから家に入って行った。
久しぶりだった。
こんな風に会話をたくさん交わしたのは。
斗美の口調が悪くなっていた悲しさと、私と同じ声色は変わっていなかった嬉しさ。
複雑な気分。
:08/12/08 19:12 :SH901iC :xLeVnYmI
#69 [ゆーちん]
私も後を追うように、家に入った。
その夜、私たちはリビングでお笑い番組を見た。
朝はひどい事言っといて、結局は一緒に見てくれる斗美は素敵な姉だよ。
私は斗美が好き。
だけど比べられるから嫌い。
わがままなんだよ、私って。
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#70 [ゆーちん]
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思春期の気持ち
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:08/12/08 19:12 :SH901iC :xLeVnYmI
#71 [ゆーちん]
あの日、斗美の本音を聞いてから、少しは私への態度が良くなってくれた姉。
「斗羽、そのピアス貸して。」
「え?」
「聞いてなかったの?私はこれからデート。だからそのハートのピアスをつけたい。だから貸してって言ったの。」
:08/12/08 19:13 :SH901iC :xLeVnYmI
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