双子の秘密
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#123 [ゆーちん]
最初は、先生が隣にいるから昼寝できないじゃんって思ったけど、話をしてるうちに睡魔なんか飛んでっちゃった。
他愛もない話をしながら空を見上げる二人に、今日も優しい風が吹く。
:08/12/08 20:56 :SH901iC :xLeVnYmI
#124 [ゆーちん]
「何で教師になったの?」
「さぁ?自分でもわかんなーい。」
「アハハ。変なの。」
「昔の俺はさ、両親や担任や警察に迷惑かけまくりな少年だったの。」
「不良?」
「俺は不良だと思ってないんだけど、周りはそう呼ぶ。」
:08/12/08 20:57 :SH901iC :xLeVnYmI
#125 [ゆーちん]
「アハハ。自覚なかったんだ。バカじゃん。」
「斗美よりバカはいないって。」
「はぁ?」
私の顔を見てクスッと笑ってから先生は言った。
:08/12/08 20:58 :SH901iC :xLeVnYmI
#126 [ゆーちん]
「更正しなきゃなーと思って、頑張って勉強とかしたの。そん時、担任に助けられたから俺も教師になるかぁと思って…今に至る。でも教師なんか俺には向いてなかったのかも。性に合わなくて毎日息が詰まるよ。」
誰にでも、悩みはあるんだと思った。
当たり前の事だけど、誰しもが悩み事を抱えてるんだと思い知った。
:08/12/08 20:59 :SH901iC :xLeVnYmI
#127 [ゆーちん]
「で、ここで息抜きですか。」
「ここは俺の場所だったのに、誰かさんが昼寝場所に使い出すから迷惑極まりないないね。」
「エヘッ、ごめん。」
:08/12/08 20:59 :SH901iC :xLeVnYmI
#128 [ゆーちん]
「お前が初めてだわ。入学して1ヵ月なのに堂々と屋上でサボって昼寝してるやつ。」
「先生も昼寝すれば?すっごい気持ち良いんだよー。」
「いいよ。起きれなかったらヤバいし。」
:08/12/08 21:01 :SH901iC :xLeVnYmI
#129 [ゆーちん]
「アラームかけて寝ればいいんじゃない?」
「また今度な。斗美が昼寝してる隙に隣で添い寝しといてやるよ。」
「何で私が寝てる隙なの。」
「目が覚めたら王子様が隣で寝てるってロマンチックだろ〜、このこの〜。」
「アハハ。キモいし、王子様って誰だよー!バ〜カ。」
:08/12/08 21:01 :SH901iC :xLeVnYmI
#130 [ゆーちん]
こうして見つけたおさぼり友達。
次にサボった時には先生は来なかった。
その次も来なかった。
だけどその次は来た。
:08/12/08 21:02 :SH901iC :xLeVnYmI
#131 [ゆーちん]
いつも一緒にサボれるって訳じゃない。
先生だって授業があるんだから、いつもいつもサボってられないもんね。
だけど一緒にサボるとなれば、なぜか楽しくなれた。
昼寝せずに、くだらない話をする。
たったそれだけなのに、楽しくて安らげる時間だった。
:08/12/08 21:03 :SH901iC :xLeVnYmI
#132 [ゆーちん]
梅雨入りをした6月は屋上ではサボれない。
他にサボれる場所を探さないと。
先生はいつもどこでサボってんだろ。
屋上で話ている時に聞いておけばよかった。
学校内で先生とすれ違ってもお互い無視するし、連絡先ももちろん知らない。
:08/12/08 21:04 :SH901iC :xLeVnYmI
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