双子の秘密
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#144 [ゆーちん]
「ごゆっくりどうぞ。」
「ありがとね、斗羽。」
商品を受け取ると恵たちは奥のテーブルに向かった。
その後、店はなかなか忙しくて恵たちが、いつ帰ったのか気付かなかった。
いつの間にか上がる時間になっていて、店長から『上がっていいよ。』と言われたので、店の制服から学校の制服に着替え、家へと歩き出す。
:08/12/08 21:11 :SH901iC :xLeVnYmI
#145 [ゆーちん]
駅前は明るく賑わっているので怖くない。
だけど駅前から少し離れると急に暗くて不気味な道があり、いつもビクビクしながら帰ってた。
こんな時、送り届けてくれる彼氏とかいたらなー…。
:08/12/08 21:12 :SH901iC :xLeVnYmI
#146 [ゆーちん]
梅雨が明けると夏が来る。
店内は涼しくて、お客さんは涼みついでに来店してくるので毎日忙しかった。
「桜井さん、申し訳ないんだけど1時間延長してもらえる?」
店長に頭を下げられちゃ断るにも断れないよ…。
夜道が怖いから、出来るだけ早く帰りたいけど…仕方ないよね。
「はい、わかりました。」
:08/12/08 21:13 :SH901iC :xLeVnYmI
#147 [ゆーちん]
いつも21時に上がるけど、今日は22時上がり。
「お疲れ様でした。」
店を出ると、ムッとした暑さが私を待ち構えていた。
明るい駅前を歩き、嫌いな暗い道を歩く。
一人ぼっちだと怖い。
だけど誰かいても怖い。
どっちにしろ、この道は怖い。
:08/12/08 21:13 :SH901iC :xLeVnYmI
#148 [ゆーちん]
やだ、やだ。
早く帰ろ…。
と、その時だった。
「桜井さん。」
心臓が跳ね上がった。
誰もいないと思っていたのに後ろから声をかけられ、私は慌てて振り返った。
:08/12/08 21:14 :SH901iC :xLeVnYmI
#149 [ゆーちん]
「あ…園田さん。」
後ろにいたのは園田さんだった。
バイト先の正社員の人。
確か25歳って言ったかな。
「ごめん、驚かしちゃった?」
無邪気に笑う園田さんと、10も歳が離れてるなんて思えない。
:08/12/08 21:15 :SH901iC :xLeVnYmI
#150 [ゆーちん]
「あの、何してるんですか?こんな道で…」
「さて問題。園田さんは何をしてるんでしょーか?」
園田さんは歩き出した。
私は園田さんの隣を歩く。
「まだ勤務中ですよね。あ、わかった!買い出しだ。」
「お〜、さすが頭のいい高校行ってるだけあるね。正解。」
:08/12/08 21:15 :SH901iC :xLeVnYmI
#151 [ゆーちん]
久しぶり。
聡志以来だ。
この道を誰かと歩いて、怖いと感じなかったのは。
「やっぱり。何の買い出しですか?」
「ティッシュ。ストック切れてるのも忘れてたんだって。店長ボケてんじゃねーの?」
声を出して笑い合った。
:08/12/08 21:16 :SH901iC :xLeVnYmI
#152 [ゆーちん]
「店長にチクりますよ?」
「んな事したら桜井さんのロッカーにカエル入れてやるし。」
「やー!絶対嫌です!やめて下さいよ?」
「アハハ。桜井さん次第だねー。」
「言いませんよー!でも、なんでこんな道歩いてるんですか?駅前のコンビニでもティッシュぐらいありますよ。」
:08/12/08 21:17 :SH901iC :xLeVnYmI
#153 [ゆーちん]
「だってコンビニ高いじゃん。ここ通って行ったらドラッグストアあるっしょ?あそこ安いし、俺ポイントカードあるもん。」
「ポイントカードって!」
「あれ?ポイントカード、バカにしちゃう系?」
「バカにはしてないですけど、園田さんはポイントカードとか似合わなくって。」
:08/12/08 21:17 :SH901iC :xLeVnYmI
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