双子の秘密
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#164 [ゆーちん]
「そっか…私だけじゃなかったんだ。」
今日は平日なのでわりと店も暇だった。
休日なら、こんなとこでサボりみたいな雑用なんかしてる時間もない。
平和な時間が流れている。
:08/12/08 21:26 :SH901iC :xLeVnYmI
#165 [ゆーちん]
「好きな人いる?」
「いないですね。」
「何で?恋愛しなよ。学生なのに勿体ない。俺も学生戻りたいな。」
「どんな高校生だったんですか?園田さんって。」
「俺?超〜人気者。」
「嘘だぁ。」
満面の笑みで笑ってる私と違い、園田さんは小さく笑っていただけだった。
:08/12/08 21:27 :SH901iC :xLeVnYmI
#166 [ゆーちん]
「ファンクラブもあったべ。」
「絶対嘘ですよねぇ!」
「本当だって。で…そのファンとやらに手ぇ出したらガキ出来て、高校辞めてここに就職。つまんねー学生時代だったわ。」
そう言って遠くを見て笑った。
:08/12/08 21:27 :SH901iC :xLeVnYmI
#167 [ゆーちん]
「そうなんですか。じゃあ、ここ、かなり長いんですね。」
「17の時からだからー…8年目?ガキもいつの間にか今年からランドセル背負ってっからね。」
「そんな大きいお子さんのバパなんですか。見えないです。」
:08/12/08 21:28 :SH901iC :xLeVnYmI
#168 [ゆーちん]
「本当?俺、見た目若い?」
つまらなさそうに笑った園田さん。
家族の話はもっと楽しく話せばいいのに。
「若いですよ。高校生でも通るんじゃないですか?」
「マジ?じゃあ高校生と恋愛してーな。」
【高校生】って単語だけで楽しそうになる園田さん。
親父じゃん!なーんて。
:08/12/08 21:29 :SH901iC :xLeVnYmI
#169 [ゆーちん]
「アハハ。高校生と?犯罪ですよっ。」
私は笑った。
すると園田さんの顔には小さな笑顔だけが浮かべ、私の目を見ていた。
「…じゃあ桜井さん、共犯者ね。」
そう言って、園田さんは私にキスをした。
:08/12/08 21:30 :SH901iC :xLeVnYmI
#170 [ゆーちん]
「…っ、やっ!」
思わず唇から離れた。
園田さんの顔が見れない。
「…何、したんですか。」
「キスだけど。」
「どうして…ですか。」
頭が上手く回らない。
パニックになっていた私の手を、園田さんは強く握った。
:08/12/08 21:48 :SH901iC :xLeVnYmI
#171 [ゆーちん]
「好きになっちゃった。」
「でも、結婚してるんじゃ‥」
「好きになっちゃダメなの?」
そんな、強い瞳で見ないでよ。
不倫なんて、ダメに決まってんじゃん…。
好きになっちゃダメです。
そう言えばいいだけなのに…私の唇は動かずに、またキスを交わしていた。
:08/12/08 21:48 :SH901iC :xLeVnYmI
#172 [ゆーちん]
ゴトッ…
「っ!」
人の気配がしたので慌てて唇を離した。
「園田さ〜ん、ちょっとレジの調子悪いんで来て貰ってもいいですかー?」
「あぁ、わかった。すぐ行く!」
私の手を離し、園田さんは立ち上がった。
:08/12/08 21:49 :SH901iC :xLeVnYmI
#173 [ゆーちん]
「邪魔くさいな。終わったらすぐ戻るね。」
「…。」
恥ずかしくてずっと俯いていた。
園田さんは小走りで店の方に戻って行く。
:08/12/08 21:49 :SH901iC :xLeVnYmI
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