双子の秘密
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#181 [ゆーちん]
〔斗美〕
「先生ぇ。」
「はーい。」
「テストに出るとこ教えてぇ。」
「1問100万円なーり。」
「死ねぇ。」
「道連れなー。」
さすがの屋上も、7月になれば暑くていつもの場所で昼寝なんてしてらんない。
:08/12/08 21:59 :SH901iC :xLeVnYmI
#182 [ゆーちん]
だから日影になっている場所でサボるの。
でもここだと眺めも悪いし、日影すぎて寒い時もあるからあんまり好きじゃない。
せっかくの屋上なのに、見渡しが悪いなんて最悪。
ま、隣に先生がいる事が唯一の救いだね。
:08/12/08 21:59 :SH901iC :xLeVnYmI
#183 [ゆーちん]
「あー、もぉマジで意味わかんない。完璧なカンニング方法教えてよー!」
「わかんないんだったら授業出ればいいじゃん。それに俺、一応教師なんだけど。カンニング方法なんて知らないし。」
先生のこの笑顔が好き。
安らげんだよねー。
:08/12/08 22:01 :SH901iC :xLeVnYmI
#184 [ゆーちん]
「あら?5時間目は授業ないから暇だったら屋上に来いってメールして来たの、誰でしたっけ?」
「え〜!そんな人いんの?よっぽど斗美が好きなんだねー。」
「うん、私の事好きで好きでたまんないみたい。」
「…フッ。やっぱ斗美といたらバカが移るわ。」
:08/12/08 22:01 :SH901iC :xLeVnYmI
#185 [ゆーちん]
「あー?またバカ扱い?」
「僕そんなバカにメロメロなんです〜。」
昼下がりの甘いキス。
すぐに息が上がってしまう。
教科書を持っていたはずなのに、力が抜けていつの間にか足元に落ちているし。
:08/12/08 22:02 :SH901iC :xLeVnYmI
#186 [ゆーちん]
私は手を先生の首に回し、もうテスト勉強どころではない。
「…斗美…っ。」
「ん?」
「ダメ。」
「何で?」
「ゴム持ってないでーす。」
「…役立たず!」
:08/12/08 22:03 :SH901iC :xLeVnYmI
#187 [ゆーちん]
私たちは付き合ってはいない。
セフレでもない。
まだSEXしてないからね。
SEXしたら【セフレ】って呼ぶような相手になるのかもね。
でもまだキスしかしてない。
たまに屋上で一緒にサボって、キスして、笑い合うだけ。
:08/12/08 22:04 :SH901iC :xLeVnYmI
#188 [ゆーちん]
自分でもこれからどうなるのかわかんない。
恋人になるのか、ただの友達でいるのか。
「ごめんちゃい。」
「じゃ、カンニング方法教えてちょ。」
教科書を拾いあげ、先生に笑顔を向けた。
「だから何で俺に聞くわけ。」
:08/12/08 22:04 :SH901iC :xLeVnYmI
#189 [ゆーちん]
「いかにも今までのテストはカンニングで生き延びて来ましたって顔してるもん。」
「…バレました?」
「顔に書いてるもん。カンニングは俺に聞け、って。」
笑い声が屋上に響き渡った。
楽しいね。
先生と出会えてよかったよ。
:08/12/08 22:05 :SH901iC :xLeVnYmI
#190 [ゆーちん]
「斗美。」
暑い夏に体を寄せ合わせれば暑苦しい。
だけど先生だと暑いだなんて感じない。
不思議。
「何?」
「今日の放課後、暇?」
「あー…ごめんなさい。バイトだ。」
「何時に終わる?」
「…わかんない。」
「そっか。じゃあまた今度誘うねー。」
:08/12/08 22:06 :SH901iC :xLeVnYmI
#191 [ゆーちん]
中学の頃から続いてるバイト。
まぁ簡単に言えば援交ね。
先生は、私が援交してる事なんか知らない。
あの日、私たちに秘密が出来た日から、たまにこうやってデートに誘ってくれるけど…ことごとくいつも援交の予定が入っている。
:08/12/08 22:06 :SH901iC :xLeVnYmI
#192 [ゆーちん]
終わる時間もわかんないし、援交した後に先生に会いたくない。
何よりSEXして、またSEX?みたいな。
先生は客じゃないもん。
やっぱ援交の後に、体重ねたくない。
先生にも悪いじゃん。
さっきまで知らない親父が舐め回し、快楽を突き付けていた体なんて…触りたくないでしょ?
:08/12/08 22:07 :SH901iC :xLeVnYmI
#193 [ゆーちん]
「ごめんなさい。」
「いいよ。でも早くデートしたいんだけど。」
「私とデートすると財布空っぽになるよ?」
「…。」
「アハッ。何でノーリアクションなのよっ!」
「怖い女だなーと思って。」
「もうっ!」
:08/12/08 22:12 :SH901iC :xLeVnYmI
#194 [ゆーちん]
何度キスしても飽きない。
もっとキスしてたい。
なのにチャイム音が私達ひ引き裂いた。
「またメールする。」
「うん。」
チュッと音を立てた可愛いキスを落とし、先に屋上から降りて行った先生。
私は少ししてから降りる事にしてる。
:08/12/08 22:12 :SH901iC :xLeVnYmI
#195 [ゆーちん]
けだるい6時間目を受けてから待ち合わせ場所に向かった。
そこには嬉しそうな顔をした客がいる。
「お待たせっ!」
「ううん、行こうか。」
「うんっ!」
安っぽいラブホテルに着くと、先にお金をもらう。
3万円。
:08/12/08 22:16 :SH901iC :xLeVnYmI
#196 [ゆーちん]
2回ヤりたいなら6万円ね。
フェラして欲しいなら1万円追加。
この客は4万円を渡して来た。
何度も会ってるこの客は、いつも1回のSEXとフェラを要求して来る。
めんどくさいなー、と思いながら客がシャワーを浴び終わるのをベットの上で携帯を触りながら待った。
:08/12/08 22:16 :SH901iC :xLeVnYmI
#197 [ゆーちん]
「お待たせ〜。」
本当、待ちくたびれた。
シャワー室から出てきた客を、笑顔で出迎えて、ベットに座らせた。
「あ、また少し痩せた?」
「実はそうなんだよ!痩せたってわかる?」
「うん!この調子でダイエット頑張ってね!」
:08/12/08 22:17 :SH901iC :xLeVnYmI
#198 [ゆーちん]
メタボが増える世の中で、中年親父でさえダイエットをしてる人が多い。
『痩せたね。』と言えば、気を良くする単純な親父たちは、こんな胡麻すり女を気に入り、また仕事をさせてくれる。
客のアソコを口に入れ、目をつぶりながらしごいた。
情けない声が零れる。
:08/12/08 22:17 :SH901iC :xLeVnYmI
#199 [ゆーちん]
私の長い髪がヒラヒラと体に当たるのが、またイイんだって。
変だよねー。
髪ごときに興奮するなんてさ。
そんな変な人に体売ってる私も変なのかな?
:08/12/08 22:18 :SH901iC :xLeVnYmI
#200 [ゆーちん]
でも、もう抜け出せないよ。
今さら普通のバイトなんて出来ない。
【女子高生】って言う最高のブランドを利用できる内にしっかり稼がないと。
私の口の中で果てた客が、嬉しそうな顔をしながら快楽に浸っていた。
はい、1万円。
:08/12/08 22:19 :SH901iC :xLeVnYmI
#201 [ゆーちん]
「来て。」
ベットに寝かされると、迷わず制服を脱がせられて行く。
下着を見て興奮している客に『見ないで。』という台詞を言うと、またたくまに興奮は最高頂にたどり着く。
:08/12/09 09:17 :SH901iC :8SSDAWso
#202 [ゆーちん]
下着を剥ぎ取り、胸にむしゃぶりつく。
どんなキモい親父でも、愛撫されれば私の体は素直に反応している。
「アッ…いいッ…」
下半身に頭を埋め、わざと音を立てながら吸い続ける客。
どんどん溢れる私の欲望を美味しそうに舐めてくれた。
:08/12/09 09:17 :SH901iC :8SSDAWso
#203 [ゆーちん]
「そんなに気持ち良い?」
「アァッ…ンッ…気持ち…い‥」
「どんどん溢れるね。」
「ンンッ…言わない…で。」
愛撫なんてもういいからさ。
…さっさと入れろ。
:08/12/09 09:19 :SH901iC :8SSDAWso
#204 [ゆーちん]
「早く…ちょうだい。」
「仕方ない子だなぁ。」
どっちが仕方ない子なんだっつーの。
奥さんが節約生活頑張ってんのに、自分の性欲のために4万も払うなんてね。
まぁ、こんな人がいてくれるから私は働けてるんだけどね。
「アァ…おっきい…ンッ…」
「…本当に?」
嘘ですよ。
:08/12/09 09:19 :SH901iC :8SSDAWso
#205 [ゆーちん]
しばらく喘ぎ声を適当に出していると、客の様子が変わった。
「あぁ…」
「ンンッ!気持ち…いよ…もう…ダメ…」
「僕も…ハァッ…ダメ…」
「私…もう…イッちゃ…う!アァアァッ!」
「…アァッ!」
はい、3万円。
:08/12/09 09:20 :SH901iC :8SSDAWso
#206 [ゆーちん]
「ハァハァ…最高だった。一緒にイけて良かったよ。」
私さ、援交だと絶対にイけないんだよね。
まさかちょっと声で演技しただけなのに、イッたなんて勘違いされるなんてね。
将来、女優にでもなろうかなー…なんちゃって。
:08/12/09 09:20 :SH901iC :8SSDAWso
#207 [ゆーちん]
しばらくベットで休んでいると、客はシャワーに向かった。
汗を流さないと、奥さんに無駄遣いがバレるもんね。
私は携帯を触りながら、裸のままベットの上で休憩。
シャワー室から出て来ると、来た時と同じような服装に戻っている。
:08/12/09 09:21 :SH901iC :8SSDAWso
#208 [ゆーちん]
「それじゃあまた連絡するね。」
「はーい!またね。」
裸で見送りしてから私もシャワー。
化粧を治してラブホテルとバイバイ。
今日もバイトお疲れ様って言うかのように、財布が私に微笑みかけていた。
:08/12/09 09:21 :SH901iC :8SSDAWso
#209 [ゆーちん]
〔斗羽〕
「あ、斗美。」
バイトから帰ると、ちょうど玄関で斗美に会った。
「何、デートしてたの?」
笑顔も見せずに私に視線を送る姉。
「違うよ。バイト。」
「ふーん。お疲れ。」
:08/12/09 12:55 :SH901iC :8SSDAWso
#210 [ゆーちん]
「斗美こそデートだったの?」
「違う。バイト。」
「え!斗美、バイトしてたの?」
「まぁね。たまに頼まれた時だけ。」
リビングには寄らず、そのまま二階の部屋に駆け上がって行った斗美。
私はリビングに入った。
:08/12/09 12:56 :SH901iC :8SSDAWso
#211 [ゆーちん]
「ただいま。」
「おかえり。斗美も一緒だったの?」
「うん。でももう二階行ったみたい。」
「そう。晩ご飯いらないのかな?」
「わかんない。聞いて来ようか?」
「いいわ。欲しかったら降りて来るでしょ。斗羽はご飯食べるでしょ?」
「うん。」
:08/12/09 12:56 :SH901iC :8SSDAWso
#212 [ゆーちん]
ママに、私が不倫してるだなんて言ったら何て言うだろう。
きっと泣くよね。
悲しむよね…。
でもね、もう決めたんだ。
辛いの承知で、園田さんと一緒にいるって決めた。
都合よく遊ばれてもいい。
親不孝な娘でごめん。
:08/12/09 12:58 :SH901iC :8SSDAWso
#213 [ゆーちん]
ご飯とお風呂を済ませ、部屋に戻る途中、斗美に出会った。
「お風呂開いたよ。」
「ん。」
斗美は私に目も合わさないで通り過ぎて行く。
「斗美!」
めんどくさそうに足を止めて、不思議な顔でやっと私の目を見てくれた。
:08/12/09 12:58 :SH901iC :8SSDAWso
#214 [ゆーちん]
「何?」
「…あのさ、聞きたい事があるんだけど。」
「うん。」
「三角関係な恋愛ってした事ある?」
「…は?三角関係?」
斗美は顔をしかめた。
「うん。AとBが付き合ってるのにBはCとも付き合ってる…みたいな。」
:08/12/09 12:59 :SH901iC :8SSDAWso
#215 [ゆーちん]
私が説明をし終えると斗美は言った。
「あー、浮気か不倫って事?不倫ならある意味しょっちゅうかもね。あ、でも恋じゃないしなぁ。」
そう言って笑った斗美。
驚いた。
不倫を日常茶飯事にしている姉にただただ驚かされるばかりだ。
「そんなたくさん相手がいるの?」
:08/12/09 13:00 :SH901iC :8SSDAWso
#216 [ゆーちん]
「んー、どうだろ。つか何?斗羽、不倫でもしてんの?」
怪しく笑った斗美に、私の首は横に動いてた。
「…してないよ。」
「じゃ何でそんな事聞くのよ。斗羽みたいな優等生に不倫なんて言葉は無縁でしょ。」
:08/12/09 13:01 :SH901iC :8SSDAWso
#217 [ゆーちん]
「…違うよ。不倫なんか、してない。」
子供の頃から、嘘をつくとき小さな声になってしまう私の癖を斗美が気付いているなら、きっとバレただろう。
斗美は気付いたのか気付いてないのかはわからないが、私に背を向け、こう言った。
:08/12/09 13:02 :SH901iC :8SSDAWso
#218 [ゆーちん]
「不倫するなら、自分の信念貫き通す事だね。相手に彼女だろうが奥さんがいようが、辛いの覚悟で付き合うんだから。好きって気持ちを大事にすればいいんじゃない?」
最後に『お風呂に行く』と言い残し、斗美は一階に降りて行った。
私は『うん』と返事をしてから部屋へと戻った。
:08/12/09 13:02 :SH901iC :8SSDAWso
#219 [ゆーちん]
まさか、斗美に勇気付けられるなんて思ってなかった。
双子は嫌だ。
キョウダイなんていらない。
一人っ子がよかった。
そんな事を思った事もあったけど、改めて、斗美がいてくれてよかったと思えた。
:08/12/09 13:04 :SH901iC :8SSDAWso
#220 [ゆーちん]
励ましてくれた斗美は何とも思ってないだろうけど、励まされた私は凄く感謝してるよ。
双子でよかった。
キョウダイがいてよかった。
一人っ子じゃなくてよかった。
:08/12/09 13:05 :SH901iC :8SSDAWso
#221 [ゆーちん]
夏休みが迫った7月末。
いつものように学校が終わり、家に向かって歩いていた時だった。
携帯が鳴った。
《今日はバイト休み?》
画面に映る園田さんからのメールに、私の心は跳ね踊った。
:08/12/09 13:06 :SH901iC :8SSDAWso
#222 [ゆーちん]
《はい、休みです。園田さんは仕事ですよね?》
《21時で上がりなんだ。それから会わない?》
初めてのデート。
返事は決まっている。
《わかりました。》
私たちは堂々とデートできるカップルじゃない。
なのでデートと言うより、【密会】と言う言葉の方が合っているだろうか。
:08/12/09 13:07 :SH901iC :8SSDAWso
#223 [ゆーちん]
いつだったか、私は家に、園田さんはドラッグストアへと向かう時にバイバイした場所がある。
その近くの公園で待ち合わせ。
暗くて怖い夜道で待ち合わせ。
《公園に1人は危ないだろ。だから俺が到着したら連絡するから、それから来て。》
:08/12/09 13:09 :SH901iC :8SSDAWso
#224 [ゆーちん]
なんて優しい人なんだろう、って思った。
聡志の時もそうだけど、私は相手に優しくされたり、『好き』と言われるたびに相手を好きになるタイプだ。
園田さんの場合もそうなんだろうか。
だとすると、いつかは冷めてしまうのかな。
この気持ちは。
:08/12/09 13:10 :SH901iC :8SSDAWso
#225 [ゆーちん]
《ありがとうございます。それじゃあ仕事頑張って下さいね!》
家に戻ると、5時間後に迫ったデートと言う名の密会の為に準備を始めた。
シャワーを浴び、髪をとかし、丁寧に化粧をする。
マニキュアもペディキュアも塗り直し。
ほんの少しの時間しか会えないけど、洋服も慎重に選ぶ。
:08/12/09 13:15 :SH901iC :8SSDAWso
#226 [ゆーちん]
「あれ?斗羽、出かけるの?」
着飾った私を見たママが言った。
「…うん。」
「晩ご飯は?」
「食べてく。」
「どこ行くの?デート?」
「んー…どうだろ。デートって言わないと思う。」
:08/12/09 13:15 :SH901iC :8SSDAWso
#227 [ゆーちん]
ママは、私と聡志が付き合っていた時、すごく聡志を気に入っていた。
これからも斗羽をよろしくね、って聡志がウチに来るたびいつも言ってた。
だけど別れちゃって、その事をママに報告するとすごく残念がっていた。
:08/12/09 13:16 :SH901iC :8SSDAWso
#228 [ゆーちん]
それからなかなか彼氏を作らない私を、ママは『また消極的な性格が出て、学校でも引っ込み思案な斗羽なのかしら。』って思っているみたい。
だけどママの心配はハズレ。
学校でも友達はたくさんいるし、人見知りも少し直ったよ。
:08/12/09 13:17 :SH901iC :8SSDAWso
#229 [ゆーちん]
でもね、ママ。
彼氏はできないけど、私…不倫する人ができたの。
悪い事だってわかってるんだけど、辞められそうにないよ。
ママには絶対言えないし、友達にも言えない。
もちろん斗美にも。
:08/12/09 13:18 :SH901iC :8SSDAWso
#230 [ゆーちん]
「あまり遅くならない内に帰ってきなさいよ?」
「うん。」
デートみたいな物だと思っているママは少し嬉しそうだった。
そんなに、私に彼氏ができたり恋をする事が幸せなんだろうか。
私の内気な性格を心配していたのはわかるけど…何だかな。
:08/12/09 13:19 :SH901iC :8SSDAWso
#231 [ゆーちん]
軽くご飯を食べて、歯磨きして、最終チェックなんかしていたら携帯電話が鳴った。
「もしもし。」
「公園着いたよ。」
「すぐ行きます!」
「アハハ。慌てなくていいよ。気をつけてねー。」
電話を切って、家を飛び出した。
小走りで公園に向かえば5分とかからない。
:08/12/09 13:21 :SH901iC :8SSDAWso
#232 [ゆーちん]
夜道を進むと公園の中で、園田さんが携帯電話を触っている姿が見えた。
「園田さんっ!」
「おっ!って、あぁー!」
私に気付いて驚いたのと、携帯から鳴り響く機械音にも驚く園田さん。
:08/12/09 13:22 :SH901iC :8SSDAWso
#233 [ゆーちん]
「どうしました?」
「…ゲームオーバー。」
見せてくれた画面には虚しい文字が並んでいた。
「アハハ。ゲームしてたんですか。」
「うん。でも来るの早かったね。」
「すぐ近くなんで。」
「走って来たの?」
「え?いや…別に。」
小声になる私。
:08/12/09 13:24 :SH901iC :8SSDAWso
#234 [ゆーちん]
走ったなんて、なんだか少し恥ずかしくってさ。
俯いていると園田さんは私の手を握った。
「車あっちに停めてあるから。行こっか。」
「…はい。」
短く、甘い、デートが始まるんだ。
:08/12/09 13:24 :SH901iC :8SSDAWso
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