双子の秘密
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#315 [ゆーちん]
一緒に冷蔵庫を覗き込み、私はレモンティー、先生はリンゴジュースとそれぞれのペットボトルを取り出した。


「食べ物は?」

「いらない。」

「ん。」


テレビの前に戻り、笑ったり文句言ったりジュースの飲み比べをしながら過ごした。

⏰:08/12/10 19:04 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#316 [ゆーちん]
「げ。もうこんな時間。」


デジタル時計は【22:54】と映し出す。


「送ってく。用意しろ。」

「やだ。まだ帰りたくないもーん。」

「明日学校じゃなかったら泊まってもいいんだけど。」

「明日サボる、学校。」

⏰:08/12/10 19:05 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#317 [ゆーちん]
「ダーメ。ちゃんと登校しろ。明日は2時間目に空きがあるから。」

「行けたら行くよ。」


文句を言いながら帰り支度を済ませ、先生に肩を抱かれながら玄関まで向かった。


「はい。」

「え?」


サンダルを履いている最中、いきなり差し出された先生の手。

⏰:08/12/10 19:06 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#318 [ゆーちん]
受け取ってみると…鍵だった。


「…嘘。合い鍵?」

「鍵ないと入れないでしょ?無くさないでよ。」

「うん!」

「部屋番は?」

「910!」

「正解。」


再び肩を抱かれ、先生のマンションを出て、車まで歩いた。

⏰:08/12/10 19:09 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#319 [ゆーちん]
後ろを歩くのも好きだけど、並んで歩くのもいいもんだ。


家に直行せずに、マンションから学校までの道を教えてもらってから家まで送ってもらった。


家の近くに車を止め、バイバイの時間が来た。

⏰:08/12/10 19:09 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#320 [ゆーちん]
「降りたくなーい。」

「んな可愛い事言ってると誘拐しそうだから。」

「誘拐してよ。」

「はいはい。冗談抜きでもう帰りな?心配してるよ、親。」

「しないよ。する訳ない。」


心配なんかされた事ない。

⏰:08/12/10 19:10 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#321 [ゆーちん]
日付が変わった帰宅だろうが朝帰りだろうが、別に叱られない。


「またバイト無い日教えて。つーかいつでも家に来ていいからさ。」


バイト…かぁ。


「合い鍵で勝手に入っていいの?」

「うん、いいよ。」

「何か…彼女みたいだね。合い鍵って。」

⏰:08/12/10 19:11 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#322 [ゆーちん]
すると先生は言った。


「あっれ?彼女みたいって、斗美は俺の彼女だろ?」


驚いた、と言う以外に何か表現あるの?って感じなぐらい度肝を抜かれた。


「え!?そうなの?」

「違うの?だとしたら何。奥さん?」

⏰:08/12/10 19:12 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#323 [ゆーちん]
「結婚した覚えもないし、彼氏できた覚えもない。」

「もぉ〜、キスしたじゃんかー。あの日は斗美ちゃんとの記念日とか思ってる俺って、すっげーマヌケ?」

「だって、付き合おうなんて一言も‥」

「言わなくてもわかってよ。俺は好きな子にしかキスしないもん。」

⏰:08/12/10 19:12 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#324 [ゆーちん]
私は先生の言う通り、まだまだガキだ。


今まで『付き合おう』って告白がない限り、彼氏を作らなかった。


いつも大人ぶって、恋愛経験豊富なんだと勘違いしていた。


言葉にしなくても恋人関係がスタートするだなんて、私の思考にはなかった。


驚いたし、嬉しかった。

⏰:08/12/10 19:13 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


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