双子の秘密
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#34 [ゆーちん]
「アッ、アッ…いい…ンンッ…」
月日が経てば髪が伸びて根本が黒くなる。
パーマも取れるし、化粧品だってどんどん良い物が欲しくなる。
私服だって、いくらあっても物足りない。
いつまでもママが買って来る斗羽とお揃いの私服なんか着てられないっつーの。
:08/12/08 17:27 :SH901iC :xLeVnYmI
#35 [ゆーちん]
こうやってお金をくれる人と気持ちいい事するだけで、たくさんの欲しいものが手に入ると知ったのは中1の終わり。
春休みは友達と夕方まで遊んでから、夜になるといつもこうやってお金を稼いだ。
おかげで春休みの間に笑えるくらいお金持ちになった。
『中学生とは思えないな。』とお客さんに言われるたびに、私は斗羽より大人っぽいんだと嬉しくなった。
:08/12/08 17:28 :SH901iC :xLeVnYmI
#36 [ゆーちん]
ガチャ…
家に帰り、玄関を開けるとリビングから笑い声が聞こえた。
斗羽とママだ。
私は忍び足のようにソーッと廊下を歩き、リビングの扉の前で盗み聞きをした。
:08/12/08 17:29 :SH901iC :xLeVnYmI
#37 [ゆーちん]
「じゃあ今度連れて来なさいね。」
「うん…でも、やっぱ恥ずかしいな。」
「何言ってんの!ご馳走作るわ!」
「何でママがそこまで張り切るのよ〜。」
どうやら斗羽と彼氏の話をしていたらしい。
:08/12/08 17:29 :SH901iC :xLeVnYmI
#38 [ゆーちん]
ママ、斗羽に彼氏が出来た事は喜ぶんだ。
私に彼氏が出来た事を知った時は何にも言わなかったくせに。
「でも本当よかった。斗羽は内気だから彼氏出来ないんじゃないかってママ心配してたのよ?」
「エヘヘ。彼氏のおかげで内気な性格も少しマシになった気もするんだ。」
:08/12/08 17:30 :SH901iC :xLeVnYmI
#39 [ゆーちん]
「本当?そんな素敵な彼、もっと早く教えて欲しかったわ。」
ママの顔を見なくても満面の笑みだとわかる。
「斗美だって彼氏いるよ?」
「あの子はああいう性格だから、いくらでも彼氏なんて出来るのよ。でも斗羽は人一倍、消極的だったから。」
:08/12/08 17:30 :SH901iC :xLeVnYmI
#40 [ゆーちん]
私が援助交際してるとママに言ったら、どういう反応してくれんだろ。
心配してくれたらいいな。
ねぇ、ママ。
私だって初対面の人と話す時、少しは緊張するんだよ。
ママが思ってる程タフじゃない。
もっと私を心配してよ。
私は所詮、まだ14才のガキなんだからさ…。
斗羽ばっかかまってないで、私の事も褒めてよ。
:08/12/08 17:31 :SH901iC :xLeVnYmI
#41 [ゆーちん]
部屋に行き、久しぶりに涙を流した。
腹が立った時に出る涙や、悔し涙や悲しい涙。
黒い涙が顔中を濡らす。
泣いて泣いて泣き切った後に、私は思う。
ママを困らせたい。
心配されたい。
こうして私はまた援助交際を繰り返すの。
:08/12/08 17:31 :SH901iC :xLeVnYmI
#42 [ゆーちん]
お客さんに体を触られてる時は『ママが悲しむだろうな』と思いながら過ごしている。
援助交際の事をバラして困らせたい反面、稼ぎ口が無くなる心配からバラされたくないという気持ちもある。
わがままなんだ、私って。
:08/12/08 17:32 :SH901iC :xLeVnYmI
#43 [ゆーちん]
「斗美、おはよう。」
斗羽が毎朝話し掛けてくる。
「おはよ。」
「今日お笑い番組あるから一緒に見ようね。」
「何で?」
「何で、って。斗美が好きな芸人が出るから‥」
「だからってどうして斗羽と一緒に見なきゃいけないの。」
「…ごめん。」
:08/12/08 17:33 :SH901iC :xLeVnYmI
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