双子の秘密
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#412 [ゆーちん]
だけど先生の髪の方が細くて、手触りが気持ち良い。
いつも撫でられてばかりの私も、今は目の前にある髪を撫でずにはいられない。
「似合うよ。」
「惚れ直した?」
「…。」
「またノーコメント?」
「エヘヘッ。」
:08/12/10 22:05 :SH901iC :0Xqg4XG.
#413 [ゆーちん]
先生は体を起き上がらせ、私の体も起こした。
キスはもう終わり?
「帰る準備ね。」
「…んー。」
不機嫌な返事をしてから、自分の荷物をまとめた。
先生も手伝ってくれたので、すぐに片付いた。
「できた。」
「はい、よくできました。」
:08/12/10 22:05 :SH901iC :0Xqg4XG.
#414 [ゆーちん]
テレビを消して玄関に向かう。
帰りたくないのにな。
でも駄々をこねても先生は泊まらせてくんない。
大人しく帰るしかないのかな。
マンションを出て車に乗り込む。
エンジンがかかり、車は発車した。
ここで疑問に思った。
:08/12/10 22:06 :SH901iC :0Xqg4XG.
#415 [ゆーちん]
…SEXしてないじゃん。
今までの私が体験してきたデートは、絶対にSEX込み。
デートとSEXはイコールだった。
煙草を吸いながら運転する先生は、やっぱり今までの彼氏とは違うんだね。
まず車持ちの彼氏なんかいた事ないし。
それに…
:08/12/10 22:06 :SH901iC :0Xqg4XG.
#416 [ゆーちん]
SEXしないデートもある、って教えてくれた彼氏だよ。
何かさ、それってかなり嬉しいよ。
体目的だけで付き合ってんじゃないって思えるから。
SEXしなくても私はキスだけで充分なの。
先生もそうなのかな?
そうだと嬉しいな。
「明日も朝、来る?」
「行っちゃダメ?」
:08/12/10 22:07 :SH901iC :0Xqg4XG.
#417 [ゆーちん]
「ううん。じゃあまた明日ね。」
車は私の家の近くに停まった。
「うん。送ってくれてありがと。」
「どういたしましてー。おやすみ。」
「おやすみ。」
車を降りて、見えなくなるまで見送った。
寂しい瞬間だ。
:08/12/10 22:08 :SH901iC :0Xqg4XG.
#418 [ゆーちん]
〔斗羽〕
「斗羽ちゃん!」
「お待たせ。」
今日で4度目。
こうやって、夜な夜な公園で太一くんと会うのは。
太一くんもこの近くに住んでいるらしく、この公園で会うのがお決まりだった。
園田さんと会えない変わりに太一くんと会う。
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#419 [ゆーちん]
そんなバカな私に、太一くんは惜しみもない笑顔をくれる。
園田さんと待ち合わせしたこの公園は、太一くんとの思い出の方が増えていった。
「宿題してる?」
「ううん。バイト忙しいから全然してない。」
:08/12/10 22:09 :SH901iC :0Xqg4XG.
#420 [ゆーちん]
太一くんはファミレスの厨房でバイトしている。
私と同じ飲食関係だから、よく共感し合ったり文句言ったりと話題が尽きない。
公園で話す事なんて他愛もない事。
だけど、そんな普通な事が楽しくて、こうやって暗黙のルールを破るような日々が続く。
恵にはもちろん内緒。
:08/12/10 22:10 :SH901iC :0Xqg4XG.
#421 [ゆーちん]
秘密がどんどん増えて行く自分に、少し情けなく思ってはいるものの、なかなか抜け出せないんだ。
「最近あの映画の宣伝、かなりしてるよな。」
「三部作だもんね。」
「俺、1つ目も2つ目も見てないんだよねー。斗羽ちゃん見た?」
:08/12/10 22:10 :SH901iC :0Xqg4XG.
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