双子の秘密
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#42 [ゆーちん]
お客さんに体を触られてる時は『ママが悲しむだろうな』と思いながら過ごしている。
援助交際の事をバラして困らせたい反面、稼ぎ口が無くなる心配からバラされたくないという気持ちもある。
わがままなんだ、私って。
:08/12/08 17:32 :SH901iC :xLeVnYmI
#43 [ゆーちん]
「斗美、おはよう。」
斗羽が毎朝話し掛けてくる。
「おはよ。」
「今日お笑い番組あるから一緒に見ようね。」
「何で?」
「何で、って。斗美が好きな芸人が出るから‥」
「だからってどうして斗羽と一緒に見なきゃいけないの。」
「…ごめん。」
:08/12/08 17:33 :SH901iC :xLeVnYmI
#44 [ゆーちん]
いつもこうやって強く当たってしまうのに、斗羽はめげずに毎日話し掛けて来る。
話されるたびに嫌いになる。
家族なのに、妹なのに…嫌いになってしまう。
:08/12/08 17:33 :SH901iC :xLeVnYmI
#45 [ゆーちん]
比べられるのが嫌い。
その原点となる【斗羽】が嫌い。
だけど紛れもない妹。
同じ顔、同じ声、同じ体格。
変える事のできない事実。
心の底から嫌いになれればいいのに…なぜか完璧に嫌いになれないのは【妹】だからなのかな。
中途半端な私。
欠点だらけ。
なのに妹の斗羽ときたら…羨む事ばかりだよ。
:08/12/08 17:34 :SH901iC :xLeVnYmI
#46 [ゆーちん]
悲しい顔をする斗羽を残し、私は先に学校へ登校した。
「お、斗美。おはよ。」
「おはよ。」
顔の広い私は登校中、何度も友達と遭遇する。
私と斗羽は、雑誌用語なんかで区別するのなら…ギャル系と清楚系。
:08/12/08 17:35 :SH901iC :xLeVnYmI
#47 [ゆーちん]
だから私の友達と、そういうギャルで派手な子が多かった。
て、言っても所詮は中学生だから、どこか中途半端。
目だけ真っ黒のパンダ化粧とか、汚い靴下履いた子とか。
私はそういうのは嫌。
完璧にしたいの。
斗羽が何事にも完璧だから、私も完璧中の完璧になりたい。
斗羽を…追い越したい。
:08/12/08 17:35 :SH901iC :xLeVnYmI
#48 [ゆーちん]
〔斗羽〕
斗美が私を嫌っていると薄々気付き始めていた。
斗美と比べられるのは嫌だけど、斗美は嫌いじゃない。
私の大切のお姉ちゃんだもの。
仲良くしたくて話し掛けても冷たい態度だし、いつの間にか斗美と私には溝が生じていたみたいだ。
:08/12/08 17:36 :SH901iC :xLeVnYmI
#49 [ゆーちん]
「はぁ…。」
「ため息ついてると幸せ逃げるよ。」
中1の秋から付き合っている彼氏の【聡志】が笑いかけてくる。
「斗美が私に冷たいの。」
「今に始まった事じゃないんだろ?」
:08/12/08 17:37 :SH901iC :xLeVnYmI
#50 [ゆーちん]
聡志には何でも話せる。
付き合う前は名前も知らない他人だったのに、会うたび話すたび離れるたびに好きになっていく。
「そうだけど。今日だって朝から怒らせたし…」
「斗美ちゃんみたいになりたいけど、比べられるのは嫌。わがままだよな、斗羽って。」
歯を見せて笑う聡志。
:08/12/08 17:37 :SH901iC :xLeVnYmI
#51 [ゆーちん]
「からかってる?」
「うん。」
「もぉー!」
自分でもわがままだってわかってる。
わがままだし、意味のわからない願望のせいで自分自身を苦しめちゃってるんだから。
:08/12/08 17:38 :SH901iC :xLeVnYmI
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