双子の秘密
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#446 [ゆーちん]
《会いたい。》


素直な気持ちだった。


私も悲しかったよとか、私も好きだよとか、そんな事を伝える前に1番の望みをねだっていた。


《いいよ。休憩、あと30分しかないから急いで俺の車に来て。》


メールを確認した後、涙を拭いて、トイレを飛び出した。

⏰:08/12/11 10:31 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#447 [ゆーちん]
駐車場まで走った。


暑い風が私の頬を撫でた。


園田さんの車に到着した時、私の息は上がっていた。


久しぶりの運動と、緊張。


窓を覗くと、笑顔の園田さんがいた。


おいで、と手招きをしてくれている。

⏰:08/12/11 10:32 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#448 [ゆーちん]
ドアを開けて、中に飛び乗った。


「園田さ‥」


いきなりのキスは、涙が出るほど嬉しかった。


この優しさと、このキスが欲しかった。


目から、ゆっくりと温かい涙が流れる。


上がっていた息は、さらに上がっていく。

⏰:08/12/11 10:33 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#449 [ゆーちん]
社員駐車場はお蔭さまで人目に付かない場所にある。


誰にも気付かれずに、車内で何度も何度もキスを交わした。


やっと離れた唇からは、私の不満が一気に溢れた。


「園田さんのバカ。私だって悲しかった。私だって好き。全然相手にされなくて…すごく…辛かった。」

⏰:08/12/11 10:33 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#450 [ゆーちん]
「ごめんね。」


優しい声だった。


「言い訳しないんですか?」

「しないよ。」

「…辛かった。ずっと無視されて、こんなに好きにさせといて、もう相手にされないのかなって。」


園田さんは私の涙を拭き取ってくれる。

⏰:08/12/11 10:35 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#451 [ゆーちん]
「ごめんね。」


謝るだけの園田さん。


「連絡もくれないし。もう私は、園田さんに捨てられたんだって思ってました。私なんかいらないんだって。」

「そんな事言わないで。俺には斗羽が必要だから。」


そんな嬉しい事、言わないで。


優しい嘘に聞こえてしまう。

⏰:08/12/11 10:35 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#452 [ゆーちん]
「嫌いになったんですか?バイト中、普通に接してよ。お願いですから…」

「嫌いになるわけないじゃん。俺、不器用だから…」

「私だって不器用だよ!もう…やだ…私、こんなに園田さんの事、好きになってるなんて思わなかった。」

⏰:08/12/11 10:36 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#453 [ゆーちん]
泣きじゃくる私は、園田さんの腕の中に包まれた。


「不器用だからさ、普通にできないの。きっと今まで通りに話したりしてると我慢できなくなる。」

「…何ですか、それ。」

「触れたいし、抱きしめたいし、キスしたくなるもん。こうやって車で会えたりもできるけど毎回って訳にはいかないし。」

⏰:08/12/11 10:37 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#454 [ゆーちん]
園田さんは続けた。


「ずっとこれからも斗羽と一緒にいたいから、わざと冷たくしてたの。俺の理性が保てるように。ごめんね。それが原因で悲しませちゃって。」


園田さんの言い訳は、涙が止まらなくなる程の言葉だった。

⏰:08/12/11 10:38 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#455 [ゆーちん]
「これからもきっと冷たくしちゃうと思う。連絡もなかなか取れないかも。だけどいつも斗羽の事、考えてるから。嫌いになんないで。」


私もバカじゃないんだ。


この沼にハマると、また涙を流す回数が増える事、わかってるんだ。


だけど、私はそれを望んだ。

⏰:08/12/11 10:38 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


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