双子の秘密
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#458 [ゆーちん]
〔斗美〕
「ごめんね。」
「納得いかないな。」
今、私の目の前にいるのは特別な人だった。
淀江さんと言って、私にきっかけを作ってくれた人。
中1の春休み、私は街で淀江さんに出会った。
:08/12/11 10:41 :SH901iC :uyR.lwfs
#459 [ゆーちん]
コンビニの前の段差に座っていると、急に私の隣に座って来たんだ。
『誰?』とそっけない態度の私にニコニコと笑い続ける中年のおじさん。
見た目は不審者のカケラもないのに、中身はとんでもない変態だった。
だけど淀江さんに援助交際というアルバイトがあると教わったんだ。
:08/12/11 10:42 :SH901iC :uyR.lwfs
#460 [ゆーちん]
他の客なんか、『もう援交しない。』ってメールか電話で済ませられるけど、淀江さんはそういう訳にはいかないと思った。
だから、近くのカフェで待ち合わせて今に至る。
「淀江さんのおかげで、今まで良い思いもしてきたけど…もうお金いらないから。」
:08/12/11 10:43 :SH901iC :uyR.lwfs
#461 [ゆーちん]
「お金いらないから、って。僕が君にいくら注いだかわかってるのか?」
淀江さんが怒るのも訳ない。
SEX1回3万、フェラ1回1万とは別に、淀江さんはおこずかいを毎回くれた。
ブランド品だってプレゼントしてくれる。
:08/12/11 10:43 :SH901iC :uyR.lwfs
#462 [ゆーちん]
『いつもごめんね。』と謝ると、『構わないよ。ずっと僕の相手をしてくれるって約束するなら。』と淀江さんは言った。
『もちろん!一生淀江さんから離れないよ。』と、軽はずみで言った言葉。
淀江さんと出会って、2年と少しが経った。
:08/12/11 10:44 :SH901iC :uyR.lwfs
#463 [ゆーちん]
私が淀江さんとSEXした価値より、プレゼントしてもらった価値の方が大きいのはわかってる。
あのプレゼント分の価値をSEXで返さないといけないとしたら、私はまだまだ淀江さんには頭が上がらない。
:08/12/11 10:45 :SH901iC :uyR.lwfs
#464 [ゆーちん]
「現金は返せないけど、バッグとか財布なら返せ‥」
「冗談じゃない!」
…だよね。
淀江さんからしてみれば、冗談じゃないって感じだもんね。
「ごめん。でも本当にもう援交したくないんだ。」
「…彼氏か?」
私は頷いた。
:08/12/11 10:46 :SH901iC :uyR.lwfs
#465 [ゆーちん]
「そんなちっぽけな男ごときで、大金の入る仕事を放棄するなんて。これからの人生、損するぞ?」
変態親父の意見は私の心を揺さぶるはずもなく、援交を辞めたいという気持ちは変わらなかった。
「損してもいい。彼氏が好きだから。お金なんかいらない。」
:08/12/11 10:47 :SH901iC :uyR.lwfs
#466 [ゆーちん]
淀江さんはひるまなかった。
「そんな一時の気の迷いで、今までの客もパァだ。僕だってそう。君は、頑張って来たじゃないか。」
頑張って来たよ。
また客に買ってもらえるように、笑顔だってサービスだって完璧にやりこなした。
:08/12/11 10:47 :SH901iC :uyR.lwfs
#467 [ゆーちん]
その努力が先生の存在で水の泡と、淀江さんは言いたいのだろう。
…上等だよ。
お金なんかより、大切なものを見つけたんだもん。
水の泡だろうが、宇宙のチリだろうが何にでもなればいい。
そんな哀れむな努力なんて。
:08/12/11 10:48 :SH901iC :uyR.lwfs
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