双子の秘密
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#490 [ゆーちん]
「あー…夜景。」
先生は曖昧な返事をした。
「覚えてないの?夏休み前、私が海連れってって言ったら山ならいいって。夜景連れてってやるって言ったじゃんかー!今日で夏休み終わるんですけどー!」
「こういうとこだけ記憶力いいんだな。」
:08/12/11 11:12 :SH901iC :uyR.lwfs
#491 [ゆーちん]
「忘れてたの?最悪!先生なんか嫌い!」
すねた私はリビングから逃げ出した。
脱衣所で服を脱ぎ捨て、湯舟に飛び込む。
「と〜みちゃん。」
扉の向こうで先生が私を呼んだ。
「そんな子いないよ!」
「ごめんねー。どっこも連れてってやれなくて。」
:08/12/11 11:12 :SH901iC :uyR.lwfs
#492 [ゆーちん]
仕事が忙しかったのはわかってるんだ。
お盆休みも少なくて、実家に帰るか私と遊ぶか真剣に悩んでくれてた事も知ってる。
今年のお正月も帰省していないって言ってたから、『実家帰った方がいいよ。』って勧めたのも私。
「ねぇ。」
「ん?」
:08/12/11 11:13 :SH901iC :uyR.lwfs
#493 [ゆーちん]
「私ってわがままなのかな。」
「うーん。どうだろ。」
「デート出来ないから毎日この部屋に転がり込んで、好き勝手させてもらって…なのにデートしたいって。わがままだよね。」
「それはわがままじゃないよ、別に。」
:08/12/11 11:14 :SH901iC :uyR.lwfs
#494 [ゆーちん]
先生はそう言ってくれたけど、わがままだってわかってた。
でもね、わがままだって言いたくなるんだよ。
援交辞めて、これから先生漬けになれるって楽しみだったのに…ちょっと寂しかったんだよ。
「ごめんなさい。夜景はまた今度でいいや。」
:08/12/11 11:15 :SH901iC :uyR.lwfs
#495 [ゆーちん]
冷静になって考えると、私が悪かった。
お風呂に入ってよかった。
湯舟が私を落ち着かせてくれた。
「謝らなくていいよ。俺が悪かったんだもん。三連休にでもデートしような。」
「うん。」
「よし、仲直り。さっさと出て来いよ。」
:08/12/11 11:16 :SH901iC :uyR.lwfs
#496 [ゆーちん]
ドアをコツンと叩いてから先生はリビングに戻って行った。
湯舟から出て、髪や体を洗って、先生の言う通りさっさとお風呂から出た。
「出たー?」
リビングから先生の声。
「…うん、出たよ。」
何でそんな事聞くんだろ。
先生もう入ったじゃん。
:08/12/11 11:17 :SH901iC :uyR.lwfs
#497 [ゆーちん]
不思議に思いながらバスタオルを戸棚から降ろしていると、先生は現れた。
「…何?」
「タオル貸してみ。」
私の手から、先生の手にバスタオルが渡った。
「私まだ体拭いてな‥」
:08/12/11 11:17 :SH901iC :uyR.lwfs
#498 [ゆーちん]
一気に白い世界に包まれた。
「え、先生?」
「拭いたげるわー。」
「へ?」
髪をグシャグシャとタオルで拭いて、体の雫も拭き取って行く。
「お詫び。」
「何の?」
「約束守れなかったお詫び。」
「…もういいって。」
「ばんざーい!」
:08/12/11 11:47 :SH901iC :uyR.lwfs
#499 [ゆーちん]
子供を操るような口調に、つい笑ってしまった。
逆らわずに両手を上げる自分がちょっと好き。
素直に恋してる感じだから。
拭き終わると体にバスタオル巻いた先生。
:08/12/11 11:47 :SH901iC :uyR.lwfs
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