双子の秘密
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#546 [ゆーちん]
翌日の私は放心状態だった。
淀江さんが果てた後、ずっと見ていた3人の中の1人が言った。
『援助交際を続けると約束しろ。』と。
『約束する。』と答えてしまった私。
そう言わないと、帰してもらえなかった。
:08/12/11 12:55 :SH901iC :uyR.lwfs
#547 [ゆーちん]
どうにかして淀江さん達を騙せないだろうか。
…いくら考えても私の頭では無理だった。
解決のしない問題。
今は騙せても、いつか私を風俗へ売る為にまた誘拐に来るんじゃないかと思うと溜め息が溢れた。
:08/12/11 12:55 :SH901iC :uyR.lwfs
#548 [ゆーちん]
何も解決しない。
学校を休んで一日中ベットの中で過ごした。
コンコン…
「斗美、学校は?」
ママがドアをノックしながら話しかけてくる。
「…行かない。」
「珍しいわね。斗美がサボるなんて。」
ママはそう言って部屋の前から離れて行った。
:08/12/11 12:56 :SH901iC :uyR.lwfs
#549 [ゆーちん]
本当、珍しい。
家でサボるのなんて。
毎日ちゃんと学校には行ってる。
だけど屋上でサボってばっか。
ていうかサボるために学校行ってる。
サボって、先生に会うために。
:08/12/11 12:57 :SH901iC :uyR.lwfs
#550 [ゆーちん]
《どした?》
学校にいたのなら1時間目が始まる時間。
先生からメールが来た。
《風邪ひいた。》
…嘘。
バカは風邪ひかないもん。
《大丈夫?》
《大丈夫じゃない。》
大丈夫なんかじゃない。
もう…ボロボロだよ。
:08/12/11 12:58 :SH901iC :uyR.lwfs
#551 [ゆーちん]
《絶対安静にしてろよ。じゃあ授業あるから行くわ!》
《ありがとう。頑張って。》
先生からのメールが嬉しかった。
眠りもせず、ただベットの中で過ごした。
終わらない問題の答えを探しながら。
:08/12/11 12:59 :SH901iC :uyR.lwfs
#552 [ゆーちん]
夕方、先生から電話が掛かって来た。
「…はい。」
「調子どうよ。」
「…悪い。」
「病院は?」
「行ってない。」
「連れてってあげようか?」
「いい、行かない。それより先生んちに連れてって欲しい。」
先生に会いたくない。
会っちゃいけない。
:08/12/11 13:00 :SH901iC :uyR.lwfs
#553 [ゆーちん]
淀江さんを受け入れてしまった、こんな汚い体で、先生に会えない。
だけど口から出た言葉は、本心だった。
会いたいんだ、先生に。
「ダメ。悪化するぞー。」
「先生に会えない方が悪化する。」
「ハハッ。何だそれ。」
:08/12/11 13:01 :SH901iC :uyR.lwfs
#554 [ゆーちん]
「ごめんなさい。ずる休みなの。」
「ずる休み?珍しいな。」
「だから悪化とかそういうの関係ないの。わがままだってわかってるけど、お願い。会いたいんだ。」
「…わかった。じゃあ迎え行くよ。家の前ついたら連絡するから待ってて。」
「ありがと。」
:08/12/11 13:02 :SH901iC :uyR.lwfs
#555 [ゆーちん]
何かを悟ってくれたのか、先生の声は優しかった。
化粧も髪も服装も、何も着飾らない。
ただ先生に会いたいだけ。
私はリビングで迎えが来るのを待った。
「斗美、晩ご飯は?」
「いらない。ちょっと出掛けてくる。」
「その格好で?」
:08/12/11 13:03 :SH901iC :uyR.lwfs
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