双子の秘密
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#551 [ゆーちん]
《絶対安静にしてろよ。じゃあ授業あるから行くわ!》

《ありがとう。頑張って。》


先生からのメールが嬉しかった。


眠りもせず、ただベットの中で過ごした。


終わらない問題の答えを探しながら。

⏰:08/12/11 12:59 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#552 [ゆーちん]
夕方、先生から電話が掛かって来た。


「…はい。」

「調子どうよ。」

「…悪い。」

「病院は?」

「行ってない。」

「連れてってあげようか?」

「いい、行かない。それより先生んちに連れてって欲しい。」


先生に会いたくない。


会っちゃいけない。

⏰:08/12/11 13:00 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#553 [ゆーちん]
淀江さんを受け入れてしまった、こんな汚い体で、先生に会えない。


だけど口から出た言葉は、本心だった。


会いたいんだ、先生に。


「ダメ。悪化するぞー。」

「先生に会えない方が悪化する。」

「ハハッ。何だそれ。」

⏰:08/12/11 13:01 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#554 [ゆーちん]
「ごめんなさい。ずる休みなの。」

「ずる休み?珍しいな。」

「だから悪化とかそういうの関係ないの。わがままだってわかってるけど、お願い。会いたいんだ。」

「…わかった。じゃあ迎え行くよ。家の前ついたら連絡するから待ってて。」

「ありがと。」

⏰:08/12/11 13:02 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#555 [ゆーちん]
何かを悟ってくれたのか、先生の声は優しかった。


化粧も髪も服装も、何も着飾らない。


ただ先生に会いたいだけ。


私はリビングで迎えが来るのを待った。


「斗美、晩ご飯は?」

「いらない。ちょっと出掛けてくる。」

「その格好で?」

⏰:08/12/11 13:03 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#556 [ゆーちん]
さすがのママも驚いていた。


それもそのはず。


今まですっぴんで出掛けた事はない。


その上、ジャージに髪はノーセット。


ママが驚いても仕方ない。


「彼氏だからいいの。」

「彼氏だからダメなんじゃないの?斗美、何か変わったね。」


うん、変わった。

⏰:08/12/11 13:03 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#557 [ゆーちん]
彼氏だから、こんな格好見られたくなかった。


彼氏じゃなくても、どんな人にでもダサい格好は見られたくない。


でもさ、先生は不思議とそんな恥じらいを感じさせない人なんだよね。


こんなダサい私も受け入れてくれてるし。

⏰:08/12/11 13:04 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#558 [ゆーちん]
「体調はよくなった?」

「うん、平気。明日から学校行くから。」

「そう。」


平気なわけない。


学校も行きたくない。


でも、いつまでもこのままじゃいられない。


《ついたよ。》


先生からのメール。


「いってくる。」

「いってらっしゃい。気をつけてね。」

⏰:08/12/11 13:05 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#559 [ゆーちん]
ママに見送られてリビングを出た。


玄関を開けて、外に飛び出す。


先生の車があった。


一気に顔が綻ぶ。


「先生!」

「ずる休み女子高生!」

「アハハ。何そのあだ名。」

「はい、乗って下さいな。」

⏰:08/12/11 13:06 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#560 [ゆーちん]
先生はいつもと変わらない笑顔だった。


ねぇ。


私の笑顔もいつもと同じ?


910号室に着いた。


「お風呂ためて。」

「はーい。」


シャワーで浴槽を軽く流してからスイッチを押す。


たまったら、先生と一緒にお風呂に入ろう。


着替えなら、確かストックがあったはず…。

⏰:08/12/11 13:07 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


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