双子の秘密
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#577 [ゆーちん]
湯舟につかり、正面に座る先生は言った。
「そんな自分を責めなくていいから。若気のいたりってやつだろ?反省してるならもういいから。斗美には怒ってないよ。俺は淀江に怒ってんだ。」
「でも…」
「おいで。」
手招きされ、私は先生の方に移動した。
:08/12/11 13:23 :SH901iC :uyR.lwfs
#578 [ゆーちん]
抱きしめられたこの体は汚い体なのに、惜しみなく力強いハグだった。
「汚くないから。でもこれからは俺だけの体だからな。他のとこ行っちゃダメだぞー。」
「…うん。」
「はい、泣かなーい!もう16歳でしょ〜?」
:08/12/11 13:24 :SH901iC :uyR.lwfs
#579 [ゆーちん]
先生に抱き着いて、止まった涙をまた流した。
この人のために私は変わらないと。
私でも、幸せになれるんだ。
幸せになりたいんだよ。
:08/12/11 13:25 :SH901iC :uyR.lwfs
#580 [ゆーちん]
翌日、朝から警察に行った。
最初は相手にされなかったけど親切な警察官が対応してくれて、真剣に話を聞いてくれた。
その日の午後、淀江さんと他の3人は逮捕された。
未成年に売春行為をさせた事が理由。
もちろんママにもバレた。
:08/12/11 13:27 :SH901iC :uyR.lwfs
#581 [ゆーちん]
事情聴取で、ママは…泣いていた。
私のために泣いてくれるなんて思ってなかったから、嬉しくて私も泣いた。
帰りはママと歩いて帰った。
叱られなかった。
逆に謝られてしまった。
:08/12/11 13:27 :SH901iC :uyR.lwfs
#582 [ゆーちん]
「もっと斗美にも甘やかせてあげればよかったね。ママが悪かったよ。」
「そうだね、って言いたいけど…さすがにこれはママが原因じゃないもん。私が悪いの。悪いってわかっててあんな事したんだから。」
ママを困らせたくて援交をしていた。
:08/12/11 13:28 :SH901iC :uyR.lwfs
#583 [ゆーちん]
その結果、本当にただ悲しませるだけのものとなってしまっていた。
「斗美は社交的だからあまり気にしてなかったの。お姉ちゃんだし、大丈夫かなって。斗羽ばっか構ってたから…ごめんね。」
泣きそうなのを我慢して『私もごめん。』と言った。
:08/12/11 13:29 :SH901iC :uyR.lwfs
#584 [ゆーちん]
「私このまま彼氏んち行くから。」
「彼氏はこの事知ってるの?」
「うん。彼氏のおかげで自分ら警察行けたの。」
「そう。彼氏に感謝しないとね。今度連れて来なさい。」
「んー…考えとく。禁断の恋だからさ。」
「禁断?」
「彼氏、私の学校の先生なの。」
:08/12/11 13:30 :SH901iC :uyR.lwfs
#585 [ゆーちん]
友達にも言った事ない言葉をママに言うって不思議な感じだった。
「そう。もうそんな事ぐらいじゃママ驚かないわ。」
ママは笑った。
「ごめんね。でも私さ、先生に出会って変われたの。」
優しい笑顔で笑ってくれた。
:08/12/11 13:31 :SH901iC :uyR.lwfs
#586 [ゆーちん]
すっかり暗くなった夜道でママと別れ、私は910号室に帰った。
…ピンポーン。
「はい。」
「ずる休み2日目女子高生です。」
「入室拒否だな。」
そう言って笑った先生。
中から鍵を開けてくれた。
「お疲れさん。」
:08/12/11 13:31 :SH901iC :uyR.lwfs
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