双子の秘密
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#93 [ゆーちん]
「でもさ、何で急にOKしてくれたの?今までずっと嫌がってたし…別に今日が記念日ってわけでもないしさ。」


聡志は不思議そうに私を見ていた。


「理由は特にない。ただ…早く聡志と1つになりたかっただけ。」

「そっか。ありがと。」


髪を撫でる聡志。

⏰:08/12/08 19:26 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#94 [ゆーちん]
今まであんなに好きだったのに、なぜかひんやりとした気持ちになった。


初めてのHをすれば心がもっと温かくなるもんじゃないの?


でも私の心は冷静なまま。


一体どうしたんだろ。

⏰:08/12/08 19:27 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#95 [ゆーちん]
そんな中2を過ごした私も中3になった。


中3の夏休み前、私は聡志と別れた。


初めてのHから3度、体を重ねたがどれも痛くて気持ち良いなんてお世辞にも言えない。


Hが痛いから別れたんじゃない。

⏰:08/12/08 19:56 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#96 [ゆーちん]
誰だって、好きだったものが急に色褪せてしまい、好きじゃなくなることもある。


聡志には素直に『あなたへの気持ちがなくなった。』と伝えた。


『仕方ないね。今までありがとう。』と納得してくれた聡志は最後まで優しかった。

⏰:08/12/08 19:56 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#97 [ゆーちん]
中2のあの日に大人になってから、急に何もかもが苦しくなった。


聡志は好きだったけど、所詮は斗美の真似。


斗美が彼氏を作ったから私も彼氏を作った。


斗美がお洒落をするから、斗美が恋愛をするから…斗美が、斗美が、斗美が。


全部、姉の真似。

⏰:08/12/08 19:57 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#98 [ゆーちん]
私は比べられるのが嫌だと斗美が言っていた。


私も斗美と比べられるのが嫌だった。


私はもっと斗美に近付きたい。


だけど斗美は私と離れたい。

⏰:08/12/08 19:58 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#99 [ゆーちん]
どうすればお互いの願望を叶えられるんだろう。


やっぱ、どっちかが折れないと無理なのかな…。


はぁ。


何か双子って面倒ね。


比べられずに済めたら、どれほど楽しいんだろうって思う。


双子なんかじゃなかったら…。

⏰:08/12/08 20:00 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#100 [ゆーちん]
◆◇◆◇◆◇◆

秘密の始まり

◆◇◆◇◆◇◆

⏰:08/12/08 20:03 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#101 [ゆーちん]
〔斗美〕


バカな私はバカなりのバカに合ったバカな高校に入学した。


斗羽はもちろん頭のいい高校。


別に羨ましくもない。


最近じゃ、比べられても…開き直っていた。


だけどやっぱりどこか意地があって、斗羽が私に少しでも近付こうとすれば私は離れていた。

⏰:08/12/08 20:04 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#102 [ゆーちん]
「斗美どこ行くの?」

「サボり。数学嫌い。」


学校にも慣れた5月のある日。


すっかりサボり癖のついた私は教室を抜け出した。


屋上への階段をコツコツと昇る。


扉を開けると太陽が出迎えてくれた。


…気持ちいい。


ひなたぼっこに最適な日。


こんな日に教室にいるなんて勿体ないよって勉強オタクに言ってやりたい。

⏰:08/12/08 20:05 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


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