冷たい彼女
最新 最初 🆕
#8 [ゆーちん]
椅子から立ち上がり、俺の近くにいた向井竜に抱き着いた。


「向井くーん!僕、やったよ!凜ちゃんの彼氏だよー!」

「あぁ、はいはい。聞いてたから知ってる。離れて。うぜぇ。」


竜の隣にいた中橋大輝が凜に言った。


「杉浦さーん。本当にいいの?心(シン)の奴、真に受けてるよ。」

⏰:08/12/11 15:58 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#9 [ゆーちん]
「…いいよ。」

「心のどこがいいの?」

「…別に。誰でもいい。知らない土地で一人ぼっちは寂しいもん。」


凜のその一言で俺のテンションは一気に下がった。


「元気出して。」


竜に励まされてもダメージでかいんですけど。

⏰:08/12/11 15:59 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#10 [ゆーちん]
この島は人口数百人の小さな島。


老若男女、全員の顔と名前を把握している。


小さな島だからこそ家族のような温かい付き合いだけど、小さな島だからこそプライバシーも糞もない筒抜けた島。


そんな島に生まれて15年。


同級生はたったの30人。

⏰:08/12/11 15:59 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#11 [ゆーちん]
小学校からクラス変えなんか無し。


喧嘩したり仲直りしたり、男女共仲良しこよしだった。


恋愛?


あー、竜と大輝は本島に彼女がいるみたい。


他にも本島に恋人か好きな人がいるって奴が多いな。


同じクラスで付き合うとか滅多にない。

⏰:08/12/11 16:00 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#12 [ゆーちん]
俺はなんだかんだ言って、この島が好きだった。


だからこの島を好きになれない奴は、これから付き合っていくのは不可能だって思ってる。


島を理由にフラれたからって未練はなかった。


そんな島に、生まれて初めての転校生が来た。

⏰:08/12/11 16:01 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#13 [ゆーちん]
島を出て行く転校生は何人かいたけど、島に来た転校生は初めて。


女って聞いてテンション上がった。


教室に入って来た時、かなりの美人でさらにテンション上がった。


で、凜ちゃんがこの中学校に来て2日目の今日。


凜ちゃんは僕の彼女になりました。

⏰:08/12/11 16:01 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#14 [ゆーちん]
「凜ちゃーん。そんな理由で俺と付き合うの〜?」

「他に何か理由いる?」


こうだもんなぁ…。


すっげぇ冷たい。


俺を好きじゃないのに付き合ってくれるんですか?


いや、嬉しいんですけど…理由が理由なだけでちょっと悲しい。

⏰:08/12/11 16:02 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#15 [ゆーちん]
まぁ俺もただ凜ちゃんが美人だから思い切って告白しただけで、中身を好きになった訳じゃない。


おあいこ様かな?


「凜ちゃんと交流を深める為に今日の放課後、海に行こう!」

「…やだ。」

「何でさぁ!」

「焼ける。」

⏰:08/12/11 16:03 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#16 [ゆーちん]
都会から来ただけあって凜には色気があった。


真っ白い肌に、キラキラと光るまぶた。


唇なんかプルプルしてて、本島の年上のお姉ちゃんって感じ。


「じゃあ日焼け止め塗ってけ!」


謎めいた瞳は、あまり俺に向けられない。

⏰:08/12/11 16:04 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#17 [ゆーちん]
そういえば凜ちゃんの笑った顔、知らないな。


「無理。やっぱりあんたみたいなガキと付き合うんじゃなかった。」

「えーっ!そんな事言わないでよ。凜ちゃんは俺の彼女なんだから、そんな寂しい事言わないでよ!」

⏰:08/12/11 16:04 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194