冷たい彼女
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#188 [ゆーちん]
つくづく思う。
凜が住んでいたところと、この島は別世界のようだって。
一体、都会にはどんな魔物がいるんだ!とまで思ってしまう。
都会の人は、その魔物に操られ過ぎだよ。
たまにはこういう島にきて、のんびりするのも悪くないよぉ。
:08/12/12 12:03
:SH901iC
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#189 [ゆーちん]
「男らしくならなくてもいいから、ずっと優しいままでいて。変わらないで。ずっと今のままの心でいてくれれば、それでいいよ。」
凜ちゃん。
その言葉、笑顔で言われてたら、俺また泣いてたかもしんない。
:08/12/12 12:04
:SH901iC
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#190 [ゆーちん]
無表情でサラッと言っただけなのに、俺の胸はキュッと締め付けられて、嬉しくて嬉しくてぶっ倒れそうだもん。
「うん!凜ちゃん大好きなんだけど!」
「あぁ、そう。そりゃどうも。」
「キスしてもいいですか?」
「こんな道端でそんな言葉叫ばないでよ。恥ずかしいなぁ。」
:08/12/12 12:04
:SH901iC
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#191 [ゆーちん]
「でも、こんな俺に惚れたんでしょ?」
「…。」
凜の目は、やっと俺に向けられた。
「違うの?」
「自惚れるなよ、童貞。」
そう言って笑った顔は、どこか香奈に似ていた。
あの見下す感じ。
やだよ。
凜ちゃんまで、怖い香奈に似ていかないでね。
:08/12/12 12:06
:SH901iC
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#192 [ゆーちん]
「何それー。」
「キスならこないだした。」
「俺は毎日でもしたいの!」
「あっそ。」
素っ気ない凜。
何だか寂しい気分になった。
「ちょっと来て!」
俺は凜の手を引っ張って、走り出した。
:08/12/12 12:07
:SH901iC
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#193 [ゆーちん]
「えっ、ちょっと!何?」
驚く凜を引っ張って、俺は道具小屋に向かった。
畑の近くに必ずある道具小屋は、名前の通り道具が置いてある。
島に、いくつものある道具小屋の中でもお気に入りの場所があった。
:08/12/12 12:08
:SH901iC
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#194 [ゆーちん]
小さい頃、竜たちと秘密基地だと言って、よく集まったっけ。
土クサイ小屋は、俺の懐かしい気持ちを蘇らせてくれた。
「何、ここ。」
「小屋。道端じゃないよ。」
「は?何言って‥」
「キスしたい!」
凜は驚いていた。
:08/12/12 12:08
:SH901iC
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#195 [ゆーちん]
そりゃそうだ。
俺がキスがしたいがために、わざわざ小屋まで引っ張られて来たんだもんな。
俺だってちょっとビックリ。
「ここなら誰にも見られないから。小屋の持ち主も今の時間なら来ないよ。」
ちょっと申し訳ない気持ちになっていた。
:08/12/12 12:09
:SH901iC
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#196 [ゆーちん]
そこまでしてキスしたいの?って嫌がられてるんじゃないかって、心配にもなった。
だけど凜は笑ってくれた。
「やっぱり、心みたいなタイプは初めてだわ。こんな面白い事してくれるの、後にも先にも心しかいないよ。」
:08/12/12 12:10
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#197 [ゆーちん]
「…それは褒め言葉?」
「さぁ?どうだろ。自分で考えたら?」
そう言って笑う凜の腕は、俺の首に絡み付いて来た。
「どっちだっていいや。凜ちゃん笑ってくれんなら。」
お互いの目が閉じ、唇が重なった。
:08/12/12 12:11
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