冷たい彼女
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#257 [ゆーちん]
運動場にキャンプファイヤーのような火が立ち上る。


地球儀を焼き、作品とおさらば。


みんな炎を見ながら騒いでいた。


「凜ちゃん。」

「ん?」

「今のうちに帰っちゃおうよ。」

「抜け駆けって奴?」

「そう。」

⏰:08/12/12 13:22 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#258 [ゆーちん]
「そんなに私の部屋来たいの?」

「行きたい行きたい!」

「本当、変態バカだね。」


凜が手を差し延べたので、俺はその小さな手を握り締めた。


竜や大輝、香奈には何も言わないで学校から抜け出して、杉浦家に向かった。

⏰:08/12/12 13:23 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#259 [ゆーちん]
近道を使い、杉浦家に到着。


「やべぇー!緊張して来た。」

「別に何もないよ。」


凜が玄関のドアを開けると、家の中は電気が消えていた。


「お邪魔しま〜す。」

「おじいちゃん達、まだ帰って来てないみたい。」

⏰:08/12/12 13:24 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#260 [ゆーちん]
杉浦のじいちゃんばあちゃんも文化祭に来ていたらしい。


キャンプファイヤー見ながらみんなと喋ってんのかな?


何にせよ、杉浦家には俺と凜の二人きり。


階段を上がり、ずっと物置だった部屋が今の凜の部屋になっていて、俺の知ってる杉浦家じゃない気がして妙に緊張した。

⏰:08/12/12 13:26 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#261 [ゆーちん]
凜の部屋は甘い匂いがした。


「何でこんないい匂いすんの?」

「お香焚いてるから。」

「なるほど!俺も今度、本島に行ったらお香買お。」

「んー、じゃあさ。」

「え?」


凜は引き出しの中を漁り、1つの袋を取り出した。

⏰:08/12/12 13:27 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#262 [ゆーちん]
「これあげるよ。前まで使ってたんだけど今はもう使わないし。お香立ても入ってるよ。」

「…凜ちゃん。」

「何でいつもすぐに泣きそうな顔になるのよ!」

「だって〜!凜ちゃんが俺にプレゼントなんて初めてだよ?」

「…そうだっけ。」

⏰:08/12/12 13:28 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#263 [ゆーちん]
凜は袋を持って、ベットにもたれて座る俺の隣に腰を降ろした。


「はい、匂い嗅いで。」


凜が袋を開けると、部屋とはまた違う爽やかな匂いがした。


「超いいじゃん。」

「でしょ?だから、はい。あげる。」


袋を受け取り『ありがとう。』を何度も言った。

⏰:08/12/12 13:29 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#264 [ゆーちん]
何度も何度も言う俺に、凜は『わかったよ。』と笑ってくれた。


それから文化祭の話をしたり、島の話をしたり、修学旅行の話をした。


途中テレビをつけたが、夕方はニュースばかりで面白い番組はやっていなかったので、音楽を流してもらった。

⏰:08/12/12 13:30 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#265 [ゆーちん]
「洋楽とか聞くんだ。」

「…うん。心は聞かないの?」

「あんまり。」

「貸して欲しかったらいつでも貸したげるよ。」

「凜ちゃん…優しいねぇ。」

「またその顔。泣きそうな顔が武器とでも思ってんの?」


思ってないよ。


本当に、泣きそうなくらい嬉しいんだよ。

⏰:08/12/12 13:30 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#266 [ゆーちん]
「でもいい!聞きたくなったら凜ちゃんの部屋にくれば聞けるでしょ?」


そうだよ。


だって俺ら恋人だし〜!


「そんな迷惑な行動しないでよ。」


…また断られました。


「えぇー!何でさぁ!いいじゃんか!」

⏰:08/12/12 13:31 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


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