冷たい彼女
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#320 [ゆーちん]
竜が唄い終わり、しばらく曲を入れずに5人で話をした。
「進路決めた?」
と、香奈。
「俺はA高だな。家から通う。」
「俺も。」
「マジ?俺も〜。」
大輝、竜、俺は本島にあるそんなに頭は賢くなくても入れる高校に島から通う予定。
:08/12/12 16:42 :SH901iC :ufvbrGno
#321 [ゆーちん]
「香奈は?」
「私は島出るよ。本島のB高行く。」
B高は女子が多く、寮生活できる高校だ。
「寮入るの?」
「うん。彼氏んちと寮が近いからさ。」
「凜ちゃんは?」
「まだ考え中。」
:08/12/12 16:43 :SH901iC :ufvbrGno
#322 [ゆーちん]
あれ?
確か前に言ってたよな。
凜、一人暮らしするって。
考え変わったのかな。
不思議に思い、フェリーの中で2人っきりになったので聞いてみた。
「一人暮らししないの?」
:08/12/12 16:44 :SH901iC :ufvbrGno
#323 [ゆーちん]
「んー。ちょっと悩んでて。」
「何?」
「島、好きだから離れたくないの。でもおじいちゃん達に迷惑かけたくないし。」
「そっか。」
「でももう親には一人暮らしする予定で話が進んでるって言われてるし、この島とバイバイなのかもね。」
:08/12/12 16:45 :SH901iC :ufvbrGno
#324 [ゆーちん]
「そっか。」
寂しいけど、寂しいって言わなかった。
凜の将来だもん。
俺が寂しいって言って、考えがブレると悪いから。
そう思って口にしなかったけど、凜は言った。
:08/12/12 16:46 :SH901iC :ufvbrGno
#325 [ゆーちん]
「心と会えなくなるの、寂しいよ。」
俺に寂しいって、素直に言ったんだ。
『俺も寂しい。』って言えない。
「離れたくないな。島とも…心とも。」
『俺も離れたくない。』って言えない。
:08/12/12 16:46 :SH901iC :ufvbrGno
#326 [ゆーちん]
どうして急に素直になれなくなったんだろう。
それはきっと、凜の将来を邪魔しちゃいけないっていう訳のわかんない遠慮。
:08/12/12 16:47 :SH901iC :ufvbrGno
#327 [ゆーちん]
そんなの、男らしく、凜の未来に乗り込んでやればいいのに。
凜の将来に、俺がいるようにすればいいのに。
なのに、なぜか勇気がなくて凜の未来に入ろうとしなかった。
:08/12/12 16:48 :SH901iC :ufvbrGno
#328 [ゆーちん]
本心はずっとずっといつまでも凜といたい。
本当だよ。
俺の未来予想図には凜がいる。
凜とずっと一緒に歩もうって思っていたけど、その頃の俺はそこまで大人になれなかったんだ。
まだまだ幼い自分に、凜の未来に口を挟む資格なんてないと思ってたんだ。
:08/12/12 16:49 :SH901iC :ufvbrGno
#329 [ゆーちん]
結局、凜の進路はあやふやなまま年が明けた。
中学生でいられるのもあと少し。
3月になると、この中学校ともさよならだ。
そんな1月。
:08/12/12 16:51 :SH901iC :ufvbrGno
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