冷たい彼女
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#77 [ゆーちん]
そして翌日、俺は8時半に凜を迎えに行った。
「おはよう!」
俺が玄関から叫ぶと、じいちゃんが出迎えてくれた。
「おぉ、心ちゃん。おはよう。」
「じいちゃんおはよう!凜ちゃんは?」
「凜?朝ごはん食べてるよ。」
「じゃあ食べ終わったら外に来てって伝えて。」
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#78 [ゆーちん]
「上がって行かんかい。」
「や、凜ちゃんに叱られそうだから辞めとくよ。んじゃ。」
外に出て、玄関口にしゃがみ込んだ。
男は同じ失敗はしない。
30分前行動だ。
どうだこの野郎!
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#79 [ゆーちん]
天気良好。
体調良好。
おまけに海も良好。
こんなデート日和なかなか無いですよ。
恵まれてんだな、俺。
せみの鳴き声を聞きながら空を見上げたり、道行く人に挨拶したり。
そんな事をしていると30分なんてあっという間だった。
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#80 [ゆーちん]
「ストーカー。」
振り返ると凜ちゃんがいた。
「おはよう!9時ちょうどだね!」
「30分も前に来るなんてバカとしか思えない。」
「だって遅刻できないもん!はい、乗って。」
今日も自転車。
凜は呆れた顔をしていた。
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#81 [ゆーちん]
今日の凜も素敵だった。
昨日とは違い、カッコイイ感じ。
短いズボンに、クールなTシャツ。
大人っぽいハンチングを頭に乗せて、爽やかな香水を香らせていた。
「今日の凜ちゃんもカッコイイし可愛いね〜。」
「今日は動きやすい方がいいから。」
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#82 [ゆーちん]
「本島で何するの?買い物?」
「うん。」
「買い物かぁ!いいね、いいね。楽しみ。」
「…あんたって単純だよね。」
「えぇ?そう?」
「バカみたいに前向きだし。」
それは相手が凜ちゃんだから。
…とか言ったら、またバカにされるかもな。
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#83 [ゆーちん]
フェリー乗り場についた。
切符を買って、フェリーで本島に向かう。
本島は今日も賑わっていた。
「何買うの?服?」
凜は首を横に振る。
「服は島に行く前にたくさん買った。とりあえず化粧品や雑貨が目当て。あの島に店がないってのは盲点だった。」
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#84 [ゆーちん]
まぁ、確かにね。
お洒落盛りの女の子には、あの島は何もなさすぎる。
「まずは雑貨屋。あんたが1番だと思う雑貨屋連れてって。」
「おう!任せて!」
自転車も一緒に本島に来たおかげで、こっちの移動も自転車が使える。
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#85 [ゆーちん]
今日も汗をかきながら自転車をこぐ。
何だかんだ言って楽しいんだよな。
その日のお店は俺のお気に入りの店をたくさん回った。
途中、凜が気に入っている店のチェーン店があったりもして立ち寄った。
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#86 [ゆーちん]
昼は安くつくのでファミレスで済ませる。
中学生は金がないんだよ。
凜は例外みたいだけど。
「うちは金持ちだから親に言えばいくらでも通帳に入れてくれるの。」
グラタンを頬張りながら凜はそう言ってた。
「凜ちゃんはどうして親についてかなかったの?」
:08/12/12 08:24 :SH901iC :ufvbrGno
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