冷たい彼女
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#86 [ゆーちん]
昼は安くつくのでファミレスで済ませる。


中学生は金がないんだよ。


凜は例外みたいだけど。


「うちは金持ちだから親に言えばいくらでも通帳に入れてくれるの。」


グラタンを頬張りながら凜はそう言ってた。


「凜ちゃんはどうして親についてかなかったの?」

⏰:08/12/12 08:24 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#87 [ゆーちん]
「親がダメだって。海外を転々とするから。それに高校生になったら一人暮ししてもいいって言われてるの。とりあえず中3の1年間は心配だからおじいちゃん達と暮らせってさ。」


まるで他人事のように話してくれた。


じいちゃん達が言ってた事は本当だったんだ。

⏰:08/12/12 08:24 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#88 [ゆーちん]
「お母さん側のおじいちゃんとおばあちゃんは亡くなってるから、お父さんの実家に預けられてるの。お父さんはお正月にも里帰りなんかしないから、初めてあの島に行ったけど…田舎すぎて驚いた。」


都会から来た人はあの島が田舎すぎる事に絶対驚く。

⏰:08/12/12 08:25 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#89 [ゆーちん]
「あの島、嫌い?」

「ううん。嫌いじゃないよ。あんたが昨日色んなとこ連れてってくれたから、好きになりかけてる。」


嬉しすぎる。


島を好きになってもらえる事。


それに、凜が色んな話を俺にしてくれる。


まだ笑ってもらってないけど、凜は俺を頼ってくれてるんだと思うと心底嬉しくなれた。

⏰:08/12/12 08:26 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#90 [ゆーちん]
「高校生になったら一人暮らしするの?」

「うん。」

「そっか。本島の高校?」

「たぶんね。だからこっちの島にも慣れないと。」


少し寂しい。


凜ちゃんが島から出て行くのは。

⏰:08/12/12 08:26 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#91 [ゆーちん]
「俺はたぶん家から通うよ。」

「ふーん。」

「凜ちゃんも杉浦のじいちゃんちから通えばいいじゃん。」


凜は首を横に振る。


「おじいちゃん達にあんまり迷惑かけられないよ。」


孫なのに、気をつかう事はないんじゃないかなと思ったけど…言わなかった。

⏰:08/12/12 08:27 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#92 [ゆーちん]
プライバシーもないような筒抜け島だけど、凜は都会から来たんだ。


あまり入り込まれるのは好きじゃないかもしれない。


凜にも何か考えがあるんだろう。


聞きたい気持ちを、ぐっと耐えた。

⏰:08/12/12 08:27 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#93 [ゆーちん]
午後からもたくさん買い物をした。


俺は荷物係。


荷物が1つ増えるたびに、凜は『ありがとう。』と言ってくれた。


これくらいどうって事ないのに。


その言葉を聞くたびに、俺は凜を好きになった。


日も傾いて来た頃。


「そろそろ帰ろっか。」

⏰:08/12/12 08:28 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#94 [ゆーちん]
「そうだなぁ。今フェリー乗り場行けばちょうどいい時間のがあると思うよ!」


俺は自転車をこいだ。


乗り遅れるといけないから、一生懸命こいだ。


おかげでちょうどいい時間のフェリーがあった。


それに乗って、俺、凜、自転車はまた島へと戻る。

⏰:08/12/12 08:29 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#95 [ゆーちん]
そんな感じで休日デート終了。


俺の心は満たされていた。


少しずつ、でも確実に俺は進歩している。


凜の手を握る事を目標に、明日からまた一週間。


俺は放課後のストーカーを頑張りたいと思います。

⏰:08/12/12 08:29 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


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