冷たい彼女
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#184 [ゆーちん]
そんな風にして決まった俺たちの班。
竜、大輝、香奈、凜、俺。
最強だな。
文化祭も修学旅行も絶対楽しい思い出作れそう!
放課後、俺はいつも通り凜と一緒に下校した。
「心。」
「ん?」
「私、心みたいなタイプ初めてだよ。」
「へ?初めて?何が?」
:08/12/12 11:59 :SH901iC :ufvbrGno
#185 [ゆーちん]
俺の隣を歩いてくれる凜は、真っ直ぐ前だけを見ていた。
「みんなのいる前で告白とか、同じ班なろうとか。」
「俺、隠れてこそこそできるタイプじゃないのかも。」
「女の子みたいだよね。男らしい仕草ゼロだもん。」
:08/12/12 12:00 :SH901iC :ufvbrGno
#186 [ゆーちん]
「えっ!それはショックだわ。やっぱ凜ちゃんも、彼氏が男らしくないと嫌だよね?」
凜の横顔は、本当に見取れてしまうぐらい綺麗で、思わず触りたくなるようなサラサラとした髪が顔の横でなびいている。
「別に。心みたいな優しい人と付き合うの初めてだからちょっと違和感あるだけ。」
:08/12/12 12:01 :SH901iC :ufvbrGno
#187 [ゆーちん]
「違和感?」
「人前で色々と誘われたりする事ってなかったから。ナンパ以外。」
「えっ!凜ちゃんナンパされた事あるの?」
「あるよ。心はないの?逆ナンされたり。」
「ないない。ナンパした事ないし、された事もない。」
「ふーん。やっぱこの島はいいところだよ。」
:08/12/12 12:02 :SH901iC :ufvbrGno
#188 [ゆーちん]
つくづく思う。
凜が住んでいたところと、この島は別世界のようだって。
一体、都会にはどんな魔物がいるんだ!とまで思ってしまう。
都会の人は、その魔物に操られ過ぎだよ。
たまにはこういう島にきて、のんびりするのも悪くないよぉ。
:08/12/12 12:03 :SH901iC :ufvbrGno
#189 [ゆーちん]
「男らしくならなくてもいいから、ずっと優しいままでいて。変わらないで。ずっと今のままの心でいてくれれば、それでいいよ。」
凜ちゃん。
その言葉、笑顔で言われてたら、俺また泣いてたかもしんない。
:08/12/12 12:04 :SH901iC :ufvbrGno
#190 [ゆーちん]
無表情でサラッと言っただけなのに、俺の胸はキュッと締め付けられて、嬉しくて嬉しくてぶっ倒れそうだもん。
「うん!凜ちゃん大好きなんだけど!」
「あぁ、そう。そりゃどうも。」
「キスしてもいいですか?」
「こんな道端でそんな言葉叫ばないでよ。恥ずかしいなぁ。」
:08/12/12 12:04 :SH901iC :ufvbrGno
#191 [ゆーちん]
「でも、こんな俺に惚れたんでしょ?」
「…。」
凜の目は、やっと俺に向けられた。
「違うの?」
「自惚れるなよ、童貞。」
そう言って笑った顔は、どこか香奈に似ていた。
あの見下す感じ。
やだよ。
凜ちゃんまで、怖い香奈に似ていかないでね。
:08/12/12 12:06 :SH901iC :ufvbrGno
#192 [ゆーちん]
「何それー。」
「キスならこないだした。」
「俺は毎日でもしたいの!」
「あっそ。」
素っ気ない凜。
何だか寂しい気分になった。
「ちょっと来て!」
俺は凜の手を引っ張って、走り出した。
:08/12/12 12:07 :SH901iC :ufvbrGno
#193 [ゆーちん]
「えっ、ちょっと!何?」
驚く凜を引っ張って、俺は道具小屋に向かった。
畑の近くに必ずある道具小屋は、名前の通り道具が置いてある。
島に、いくつものある道具小屋の中でもお気に入りの場所があった。
:08/12/12 12:08 :SH901iC :ufvbrGno
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