冷たい彼女
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#281 [ゆーちん]
ちょっと切なげにそう言った凜に、俺は謝った。


「ごめんね…。」

「謝られても困る。」

「うん。」

「嫌ならいいの。でもキスだけじゃ足りないって言う私の気持ちも知っといてね。」


凜が動くと甘い匂いも動いてる気がした。

⏰:08/12/12 14:06 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#282 [ゆーちん]
ベットに座り、床に座る俺を見下ろす姿がとても大人っぽくて顔が熱くなった。


「本当にいいの?」

「何が?」

「凜ちゃんに手ぇ出した時点で、大切にしてないじゃんって思われるのが嫌だったから、俺も…我慢してた。」

⏰:08/12/12 14:07 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#283 [ゆーちん]
「やっぱり我慢してたんじゃん。しなくていいって前に言ったのに。」

「我慢なんかしてないってカッコつけたけど、俺も男だからたまにムラっとしちゃったりするんだよね。エヘッ。」

「エヘッじゃないよ。心が私を大事にしてくれてるのは、もう充分感じてるから。心の事信じてるし、今までのバカな元カレとは違うってちゃんとわかってるからさ。」

⏰:08/12/12 14:09 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#284 [ゆーちん]
思わず目を伏せた。


だって目の奥が痛くなったから。


「…凜ちゃん。俺、泣いてしまいそうです。」

「そうやってすぐ泣きそうになるところも心の優しさ出てるよね。」

⏰:08/12/12 14:09 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#285 [ゆーちん]
そんな褒めても、お金なんて出ないですよ。


いや、そうじゃなくて…。


かなり嬉しいんだよ。


「泣き虫な男でごめんなさい。」


するとベットから、床に座る俺の傍に凜の匂いがフワッと動いてきた。


俯く俺の顔を凜の小さな手が包み、顔を上げさせてくれた。

⏰:08/12/12 14:11 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#286 [ゆーちん]
「…痛い。」


包んでいたはずの凜の手は俺の頬を引っ張り出した。


「泣き虫だろうが何だろうが、私はそんな心が好きなの。」


ぶっきらぼうにそう言うと、凜の手が勢いよく離れ、頬がヒリヒリ痛んだ。

⏰:08/12/12 14:12 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#287 [ゆーちん]
でもその痛みでさえ幸せだった。


いや、マゾとかじゃなくてさ。


…俺に好きって言ってくれたから。


マジで泣いてしまいそうだったので、家に帰る事にした。


「あ、凜ちゃん。」

「ん?」

「今度いつ会える?」

「明日は香奈と本島に行くから会えないけど、イヴは会えるから。」

⏰:08/12/12 14:13 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#288 [ゆーちん]
「じゃあ24日に遊ぼ。」

「いいよ。」


クリスマスイヴとクリスマスに彼女がいるなんて初めてで、かなりテンションが上がった。


そのテンションは翌日になっても変わらず、竜に幸せを分けてやるために朝から向井家にお邪魔した。

⏰:08/12/12 14:13 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#289 [ゆーちん]
「んなの分けていらねぇから!」

「最近別れてロンリークリスマスの竜ちゃんに、少しでも幸せをおすそ分けしないとって思ってくれる友達に向かって失礼な!」

「童貞から幸せなんか分けていらねぇし。」


そう言ってベットに潜った竜。

⏰:08/12/12 14:18 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#290 [ゆーちん]
「その事なんだけどさぁ。」

「どの事!」

「童貞の事。」

「何!」

「いや、あの…てゆーか何でそんなピリピリしてんの。」

「朝っぱらからのろけ話しに来る男のせいだよ!」

「あ、俺か。ごめんね。アハハッ。」

「うっざ。」

⏰:08/12/12 14:19 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#291 [ゆーちん]
布団から顔を出して怖い目で俺を睨む竜に、勇気を出して聞いてみた。


「SEXって、どうやんの?」


竜の怖かった目はたちまち丸い目に変わる。


「はぁ?」

「変な話、凜ちゃんからOK出てんだけど手順がわかんねぇのよ。」

「手順ってお前、元カノと途中までやったんだろ?」

⏰:08/12/12 14:20 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#292 [ゆーちん]
「あぁ。でもあんなのほとんど俺が襲われちゃってたし。」

「手順って言われてもさぁ…大輝に聞け。」


そう言われたので俺は中橋家に走った。


もちろん竜も連れて。


大輝は竜と違い、ケロッとした顔で出迎えてくれた。

⏰:08/12/12 14:21 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#293 [ゆーちん]
「そんなの、キスして押し倒して…あとは野となれ山となれだろ。」


大輝の回答は、何ともまぁめんどくさそうな対応だった。


「その野と山のところが聞きたいんだよ!」

「えー、口で説明するようなもんじゃねぇし。」

⏰:08/12/12 14:22 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#294 [ゆーちん]
「そこを何とかお願いしますよ中橋さん!」


2人で騒いでいると、大輝の部屋でもベットでゴロゴロしている竜が言った。


「つーか凜ちゃんにリードしてもらえばいい話じゃん。処女じゃねぇんだし、手取り足取り教えてくれるって。」

⏰:08/12/12 14:23 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#295 [ゆーちん]
うん。


まぁ、それもありだけどさ…何かちょっと恥ずかしくない?


初めてキスした時も、ディープキスした時も、SEX誘ってきたのも全部凜ちゃんからだし。


今度こそ俺がリードしねぇとって思うんだよね。

⏰:08/12/12 14:23 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#296 [ゆーちん]
「そうじゃん。相手が凜ちゃんなら心配ないって。お前は避妊だけ心配してればいい。」


大輝も竜の意見に乗っかる。


「つーわけだ。俺はしばらく使わないんで、これあげるね。心ちゃん!」


嫌みたっぷりの竜の笑顔と一緒に贈られたコンドームを受け取り、俺はふに落ちないまま頷いた。

⏰:08/12/12 14:24 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#297 [ゆーちん]
「え、つーか竜いつもズボンのポケットにゴム入れてたわけ?」

「うっせ!聞くな!」

「ブハッ。まぁ俺もポケットに入れておく派だけどね。」


竜と大輝が盛り上がってるのも無視し、俺はちょっと妄想してみた。


………。


無理。

⏰:08/12/12 14:25 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#298 [ゆーちん]
未知の世界だから、途中からどう妄想すればいいのかわかんない。


そもそも元カノと失敗した時、服とか脱いでないしね。


だから女の子の裸っつーのがまず想像つかない。


エロ本なんか売ってないこの島をちょっと恨んだ瞬間だった。

⏰:08/12/12 14:26 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#299 [ゆーちん]
○●○●○●○

お昼ご飯食べて来ます

途中コメントくださった方
ありがとうございます

一気に投稿してるので
全然気付かなくて

よければ感想板の方に
お願いします

後ほど更新できたら
またしますね

>>2

○●○●○●○●○

⏰:08/12/12 14:27 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#300 [ゆーちん]
●○●○●○●

少しだけ更新

●○●○●○●

⏰:08/12/12 16:24 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#301 [ゆーちん]
そして迎えたクリスマスイヴ。


今日、いっちょデカい花火でも打ち上げようって事で俺のポケットには昨日竜からもらったアイツが潜んでいる。


それともう一つ。


俺から凜ちゃんにあげる初めてのプレゼント。


「はい、クリスマスプレゼント!」

⏰:08/12/12 16:25 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#302 [ゆーちん]
「…うっそ。信じらんない。すごい嬉しい。」


在り来りだけどハートのネックレスをプレゼント。


凜は驚きながら受け取ってくれた。


「あ、これ私もプレゼント。」

「マジありがとうね!泣きそうだわ。」

⏰:08/12/12 16:26 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#303 [ゆーちん]
お互いプレゼントを開けた。


凜がくれたプレゼントはレザーのブレスレットだった。


「うっわ、マジ嬉しい。」

「気に入った?」

「うん、かなり!」

「よかった。私もこれ、気に入った。」


今日は凜にも笑顔が溢れている。

⏰:08/12/12 16:27 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#304 [ゆーちん]
その笑顔だけでも充分すぎる、素敵なプレゼントなんだけどな。


なんてキザな事言ってるとバカにされそうだから言わないでおこう。


「掃除機とブレスとどっちにしようか悩んだんだけどね。」

「掃除機?」

「この部屋汚いからさ。」

⏰:08/12/12 16:27 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#305 [ゆーちん]
まぁね。


何が汚いってガラクタが多い。


お菓子の食べカスがとか、ホコリが舞い上がってとか、そういう汚いじゃないんだよ。


物が多いっつーの?


読まなくなった雑誌や教科書。


漫画も床に散らばったまま。

⏰:08/12/12 16:28 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#306 [ゆーちん]
「年末の大掃除、手伝ってあげるよ。」


「…うん、ありがとね。」


情けない。


何で俺って収納とか下手くそなんだろ。


「あ、お香もう残り1本じゃん。また買いに行かないとね。」

⏰:08/12/12 16:29 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#307 [ゆーちん]
「一緒に買いに行こうね〜。」


「えぇー。やだぁ。」



そう言いながら凜は慣れた手つきでお香に火をつけた。

⏰:08/12/12 16:29 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#308 [ゆーちん]
「んー。懐かしい匂い。ずっと自分が使ってたのに、今じゃこの匂いイコール心って感じだよ。」


俺、このままだと凜ちゃんを好きになりすぎて、壊れちゃうんじゃないでしょうか。


だってさ、この笑顔は反則でしょ。


花火打ち上げるぞー、なんて意気込んでいなくても、この笑顔見たら誰でも打ち上げたくなるっつーの。

⏰:08/12/12 16:30 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#309 [ゆーちん]
まぁ、勝手に打ち上げられても困るけど。


俺の彼女だし。


「…ンッ…」


突然交わした甘いキスも、優しく受け入れてくれた。


キスだけじゃなく体も。

⏰:08/12/12 16:31 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#310 [ゆーちん]
凜と俺はゆっくりとベットに倒れ込んだ。


「…電気。」


凜が呟いたその言葉で、俺は慌てて部屋の電気を消した。


そして暗闇で再び凜とキスをする。


俺は、自分で自分の行動に驚いていた。


何もしらない童貞男だけど、体は本能のまま動くんだって。

⏰:08/12/12 16:32 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#311 [ゆーちん]
この手順が正解かなんてわからないけど、俺はゆっくりとためらいながらも凜に触れていった。


初めて見た凜の体は、暗闇でもわかるくらい白い肌だった。


余計に緊張してしまい、あまり見れなかったんだ。

⏰:08/12/12 16:34 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#312 [ゆーちん]
下半身に触れると、凜が可愛い声を零していた。


その色っぽい声のせいで、俺の手や唇は暴走するばかりだった。


「ンアッ…心…もう、入れ…てよ…」

「いいの?」

「いいよ…」


凜の荒い息使いが部屋に響く。

⏰:08/12/12 16:36 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#313 [ゆーちん]
とうとう迎えた大人への一歩。


父ちゃん母ちゃんじいちゃんばあちゃん。


俺は同じ失敗2回もしないぜ。


つーか前の失敗は元カノが無理矢理襲って来て恐かったっつーのも一理あるんだけどね。


まぁでも今、目の前にいる彼女は俺の大事で大好きな彼女なわけで。

⏰:08/12/12 16:36 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#314 [ゆーちん]
おかげさまで幸せな初体験を迎える事ができました。


数分前まで童貞だった俺ですが、ありがたい事に昇天までさせていただき…非常に幸せなクリスマスイヴでした。


「心、やばい…」

「え?」

「かなり気持ち良かったよ。本当に初めて?」

「初めてですー。」

⏰:08/12/12 16:37 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#315 [ゆーちん]
終わった後も、凜を抱きしめながらベットの中でゴロゴロっつう幸せ尽くしの俺。


こんな幸せだと、いつか大変な事起こるんじゃないかな。


このまま幸せが続けばいいのに、って願わずにはいられなかった。

⏰:08/12/12 16:38 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#316 [ゆーちん]
翌25日は、竜の為に5人集まってクリスマスパーティーをした。


本島のカラオケボックスで竜の失恋慰安会。


失恋の歌ばかり唄う竜と打って変わって、幸せな4人はテンションの上がる歌やアニメソングやらと竜の気持ちなんかお構いなしだった。

⏰:08/12/12 16:39 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#317 [ゆーちん]
「香奈と一緒にクリスマス過ごすなんて思いもしなかったんだけど。」


大輝が言った。


「あ?そういう大輝も、クリスマスなんかに彼女ほっといて大丈夫なの?」

「友達と過ごすってさ。香奈の彼氏は?」

「大学のサークルの飲み会だって。ま、昨日一緒だったし別にいいよ。」

⏰:08/12/12 16:40 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#318 [ゆーちん]
「俺も昨日一緒だったから今日は友達と過ごそうって事になったんだよね。」

「まぁこいつらは昨日も今日も一緒っていううざいパターンだけどね。」


そう言って香奈は俺と凜を指さした。


「エヘッ。」

「うっざーい。」

「竜なんか昨日1日中テレビ見てたらしいぞ。」

⏰:08/12/12 16:41 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#319 [ゆーちん]
「ロンリーロンリークリスマスイヴじゃん。」


当の竜は、失恋ソングを熱唱。


俺と真逆だな。


可哀相に。


…なんて同情しちゃったりする俺。


でも、昨日の今日で凜と話すのがちょっと恥ずかしかったりする。

⏰:08/12/12 16:41 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#320 [ゆーちん]
竜が唄い終わり、しばらく曲を入れずに5人で話をした。


「進路決めた?」


と、香奈。


「俺はA高だな。家から通う。」

「俺も。」

「マジ?俺も〜。」


大輝、竜、俺は本島にあるそんなに頭は賢くなくても入れる高校に島から通う予定。

⏰:08/12/12 16:42 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


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