冷たい彼女
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#405 [ゆーちん]
テーマとか、別に勝手に決めてもらってもいいんだけど、俺にあんまり危害加えないで欲しいという本音は…今日は言わないでおこう。
だって今日は、案外、タメになる言葉聞けたし。
母ちゃんもたまには役立つじゃん。
信じるっていう大切さ、かなりわかった気がする。
:08/12/13 17:29 :SH901iC :1vm0Oe8g
#406 [ゆーちん]
礼も何も言わずに、俺は部屋に戻り、制服を脱いだ。
3年間ご苦労だった、我が制服。
私服に着替えてから時計を見た。
どうやら、母ちゃんの話を20分も聞いていたらしく、そろそろ凜を迎えに行く時間となっていた。
:08/12/13 17:29 :SH901iC :1vm0Oe8g
#407 [ゆーちん]
もう一度、居間に行くと母ちゃんは昼ご飯を食べていた。
「貧相な昼飯だな。俺ら今からトメ食堂で美味いもん食って来るわ。」
「あっそ。そりゃようございますね。」
「こんな貧相な昼飯の為に遠恋してたわけじゃないのにーって後悔してる?」
:08/12/13 17:30 :SH901iC :1vm0Oe8g
#408 [ゆーちん]
「…全然。こんな貧相な昼飯を食べる事ができる幸せがあるから遠恋しててよかったって思える。」
ちょっと感動した。
母ちゃんにとって、父ちゃんとの日々は何1つ後悔していなくて、俺もそんな風に凜との未来を夢見たいって思えた。
:08/12/13 17:31 :SH901iC :1vm0Oe8g
#409 [ゆーちん]
「はぁ…。俺も結婚してぇ。」
「何言ってんのよ。あと10年は許さないからね。」
「…いってきます。」
「あいよ。」
先10年は結婚の許可が降りなかった俺は、杉浦家に向かった。
出迎えてくれたじいちゃんが『卒業おめでとう。』と言ってくれた。
:08/12/13 17:32 :SH901iC :1vm0Oe8g
#410 [ゆーちん]
『ありがとう!』なんて話していると、凜が二階から降りて来た。
「仲良しだなぁ、お前ら。」
「心がまとわり付いてるだけ。それじゃあいってきます。」
あんな冷たい事言っといて、トメ食堂まで手を繋いで歩いてくれた凜。
可愛い彼女。
:08/12/13 17:33 :SH901iC :1vm0Oe8g
#411 [ゆーちん]
「25歳になった時、貧相な昼飯食べながら、俺との恋愛は後悔はなかったって思えるようになっててね。」
「…ごめん。話が見えない。」
「いいの。こっちの話。」
「独り言なら一人のときに言ってよね。」
「…はい。」
:08/12/13 17:33 :SH901iC :1vm0Oe8g
#412 [ゆーちん]
トメ食堂につくと、みんなから『やっと来た!』とか『遅い。』とヤジを飛ばされながら出迎えてもらった。
「凜はこっちー!」
香奈が手招きするテーブルに連れて行かれた凜。
「心はこっち来るなよ。」
そう言った竜の隣に座った俺。
:08/12/13 17:35 :SH901iC :1vm0Oe8g
#413 [ゆーちん]
しばらくすると全員が集まったらしく、1番前にトメばあちゃんが立った。
背が小さいのでコンテナの上に登って、トメばあちゃんは話し出した。
「これから、笑って泣いて怒って哀しんで、人生の壁にぶちあたる。そんな時はドーンと素直にぶちあたれ。ぶちあたって怪我したら、いつでも島に帰ってこい。ばあちゃんはここにいる。白飯と豚汁と漬物くらいなら食わせてやる。」
:08/12/13 17:36 :SH901iC :1vm0Oe8g
#414 [ゆーちん]
帰る場所があるって、こういう事なんだ。
トメばあちゃんの激励はみんなのココロを打っただろう。
:08/12/13 17:37 :SH901iC :1vm0Oe8g
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