冷たい彼女
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#434 [ゆーちん]
凜の笑顔。


凜の手の温もり。


凜の言葉。


そして、鍵の冷たさ。


距離が何だよ。


そんなの、同じ海の上じゃん。


寂しいなんて言ってらんない。


こうやって、いつでも会える機会を与えてくれたんだから、悲しんでちゃバチが当たる。

⏰:08/12/13 23:23 📱:SH901iC 🆔:1vm0Oe8g


#435 [ゆーちん]
「引っ越しの日、笑顔で見送ってあげられる気がする。」

「それはよかった。みんなの前で泣かれちゃたまんないもん。」

「寂しくなったら、これでいつでも会いに行っていい?」

「その為の合い鍵なんだけど。」

⏰:08/12/13 23:24 📱:SH901iC 🆔:1vm0Oe8g


#436 [ゆーちん]
「凜ちゃんも寂しくなったら、すぐに俺んち来るんだよ?うち、鍵はいつでも開いてるから。」

「アハハッ。知ってる。」


暗くなった道で、軽くキスをした。


軽くだったのに、どんどん止まらなくなった。


「私も卒業祝いちょうだいよ。」

「何も持ってないんだけど。」

⏰:08/12/13 23:24 📱:SH901iC 🆔:1vm0Oe8g


#437 [ゆーちん]
「…心が欲しい、っていうリクエストは却下される?」


こうやって、大人っぽい色気を出す凜は本当に同じ歳なのか不思議に思う。


あんな言葉、反則でしょ。


「凜ちゃんち行っていい?」

「…いいよ。」

⏰:08/12/13 23:25 📱:SH901iC 🆔:1vm0Oe8g


#438 [ゆーちん]
杉浦家まで凜の手を引っ張って走った。


凜は『走らなくても私、逃げないよ。』って笑ってた。


何だかおかしくて、二人で大笑いしながら走った。


「ただいま〜。」


居間にいるじいちゃんばあちゃんに顔を見せてから、凜の部屋に直行した。

⏰:08/12/13 23:26 📱:SH901iC 🆔:1vm0Oe8g


#439 [ゆーちん]
「心ってポーカーフェ‥」


最後まで言い終わる前に俺は凜の言葉を邪魔した。


怖いくらい凜が好き。


怖いくらい凜の匂いが好き。


そんな事思ってると、止まったはずのものが滲んで来た。


唇を離した凜が笑った。

⏰:08/12/13 23:26 📱:SH901iC 🆔:1vm0Oe8g


#440 [ゆーちん]
「何でそんな泣き虫なの?」

「知らない。」

「何で今、泣いてんの?」

「幸せだから。怖いくらい。」


俺の頬を撫でる凜の手は小さくて温かかった。


「私は最悪だよ。」

「何で?」

「泣き虫が…移ったから。」

⏰:08/12/13 23:27 📱:SH901iC 🆔:1vm0Oe8g


#441 [ゆーちん]
始めて見た凜の涙は、不謹慎ながらも綺麗だと思った。


「何で凜ちゃんまで泣くのさ。」

「幸せなの。怖いくらい。」


男と女が抱きしめ合いながら泣いた、卒業式の夜。


いつもと違う、ロマンチックな夜だった。


SEXだって、ロマンチック。

⏰:08/12/13 23:28 📱:SH901iC 🆔:1vm0Oe8g


#442 [ゆーちん]
俺の彼女は冷たいよ。


でもさ、そのぶん温かいところに触れたら、普通の数倍嬉しいんだ。


素っ気ないし、笑わない。


でもそんな彼女だからこそ、笑ったり泣いてくれたりすると、幸せを感じられんだよね。

⏰:08/12/13 23:29 📱:SH901iC 🆔:1vm0Oe8g


#443 [ゆーちん]
まだまだ子供な考えかもしんないけど、俺、絶対に【杉浦凜】を【江森凜】にすっからな!


「あ、さっきのプロポーズの返事。」

「嫌なんでしょ?もう聞きたくな‥」

「考えといてあげるね。」

⏰:08/12/13 23:29 📱:SH901iC 🆔:1vm0Oe8g


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