冷たい彼女
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#48 [ゆーちん]
「おぉ、心。」

「あれ?ストーカーは?」


みんなが口々に俺を出迎えてくれた。


「みなさん、よくぞお集まりいただきなすった。」

「日本語変だぞ。」

「そこ、うるさい!俺は国語が嫌いなんだ!」

「で、どしたの?」

⏰:08/12/11 21:26 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#49 [ゆーちん]
「みんなに自慢したい事があるんですよ。」

「何〜?」

「なんと!明日、杉浦凜様とデートする事になりましたー!」


島中に聞こえるんじゃねぇかってぐらい大声で叫んでやった。


それなのにみんなの反応は最悪。


「…ふーん。」

「そうなんだ。」

「頑張って。」

⏰:08/12/11 21:26 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#50 [ゆーちん]
「ちょちょちょちょ。何なの、その凜ちゃんのような冷たい反応。みんな凜ちゃん化ですか?」


漫画の続きを読み始めたり、携帯を触りだしたりと俺には見向きもしてくれなかった。


泣いちゃうぞー。


いつもながら俺への対応は冷たいものだ。


もう慣れたけどさぁ。

⏰:08/12/11 21:27 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#51 [ゆーちん]
凜の話はいつの間にか流れてしまい、他愛もない話で盛り上がった。


日が沈めば自然に家へと帰って行く。


不審者や痴漢、泥棒の出た事のないこの島の夜道は暗いけれど月が明るく、のんびりと歩きながら帰る事ができるんだ。

⏰:08/12/11 21:27 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#52 [ゆーちん]
翌日は学校に行く時間より早くに目が覚めた。


無駄に余った時間は携帯ゲームをして過ごした。


が、バカはやっぱりバカだった。


すっかり夢中になってしまい、時間を忘れていたんです。


「あんた一体何時に出掛けんのさ?」


母ちゃんが言った。

⏰:08/12/11 21:29 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#53 [ゆーちん]
「あ?10時前。」

「んーなのとっくに過ぎてるよ。」


…え?


時計を見ると10時半を回っていた。


血の気が引いた。


「やっべぇ!」


携帯電話と財布をポケットに入れ、家を飛び出した。


杉浦家まで猛ダッシュ。


3分で到着だ…。

⏰:08/12/11 21:29 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#54 [ゆーちん]
「り…ん、ちゃー…ん…」


息切れなんて久しぶり。


「あらあら、心ちゃんじゃないの。どうした?」


杉浦のばあちゃんが俺に笑顔を向ける。


「凜…ちゃん…は?」

「部屋にいるよ。」

「呼んで…来てく…れる?」

「あいよ。」

⏰:08/12/11 21:30 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#55 [ゆーちん]
ばあちゃんは立派な足取りで階段を上って行き、凜を呼んで来てくれた。


「おばあちゃん、私ちょっと出掛けるね。」

「心ちゃんとかい?」

「うん。」

「はいよ。気をつけてね。」

「いってきます。」

「ばあちゃん、いってきます。」

⏰:08/12/11 21:30 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#56 [ゆーちん]
初めて見た私服の凜は、口が開く程のものだった。


フワフワしたワンピースが見事に似合っている。


少し歩くと、凜は言った。


「童貞は時間も守れないわけ?」

「…ごめんなさい。ゲームしてたら時間忘れてました。」

「ゲームに負けたんだ、私。」

⏰:08/12/11 21:31 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#57 [ゆーちん]
「いや、決してそういう訳じゃないんだけど…」

「貸し1ね。」


そう言って凜は歩き出した。


「はい。」


俺もいつもと同じで、凜の後ろを着いて歩く。


6月末、とても暑い日だった。

⏰:08/12/11 21:32 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


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