メンソｰル

私は新のことが
未だに好きなことを言った

「うちはな…
あんたが幸せやったら
新と亮どっちと付き合ってもよかったんや…」

『…うん』

「あんたが県外行ったときは新も亮もめっちゃ落ち込んでた…
新なんかあんたのこと探しまくって仕事にも支障がでるくらいやった」

私が地元を離れたことで亮と新を傷つけてしまった

私の勝手な判断で
友達にも気を使わせていた

『……ほんまごめん』

美穂は気にすんなって
笑った

新も今は仕事に精を出しているみたい

彼女がいるのかは
怖くて聞けない
美穂も言わない

「でさっ……うちな
あんたに新とちゃんと話してほしいんよな」

『今更ちゃんと別れ話なんてできないよ……
私は新が好きだし…
自分勝手すぎるよ…』

自分勝手すぎて嫌になる
私はいつまでたっても
前に進めていない

その時後ろから懐かしくて愛おしい声が聞こえた

「そー思いこんでるから厄介だよ」

ずっとずっと効きたかった声

『あ…らた……』

振り返ったのに
新の顔が見えない

涙でいっぱいだった

「こんなとこで泣かない!!場所移動ね!うちは帰るから～」

美穂がそう言って帰って行った

私と新もとりあえず
店をでて新の車の中に移動した

何も言わない私に新が口を開いた

「俺に言うことない？」

謝らなくちゃ……

『いきなりいなくなって
自分勝手でほんまにごめんなさい…』

目に溜まった涙が
溢れこぼれ落ちた時

大好きで夢にまでみた
大きな腕に抱きしめられた

「そんなんじゃなぃ
ごめんなさいなんていらない……」

『新…？』

私の肩に顔をうずめる新は震えてた

『なんで新が…泣いてるの？』
私の声も震える

『私がひどいことしたから？ごめんね…ほんまにごめんなさい…』

「謝んなよ!!
俺が聞きたいのはごめんじゃない……
もう一回俺のこと好きって言ってよ…」