闇の中の光
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#124 [ゆーちん]
私が頷くと、哲夫が近付いて来た。
「いい子にしてろよ。」
そう言って、私の頬に哲夫は自分の唇を押し付けた。
「いってきマンモス。」
「いってらっしゃい。」
哲夫は振り返らずに出て行った。
:08/12/30 18:25 :SH901iC :Z9srDs2E
#125 [ゆーちん]
一人ぼっちになった部屋。
急に静かになった部屋。
…なんだか、疲れた。
死ぬつもりが、目を開けると金髪野郎がいて。
殺してと頼んだら、萌子を殺してくれた。
私は数時間前にシホになって、哲夫のペットであって…ダメだ、頭が痛い。
私は片付けもせず、そのまま眠ってしまった。
:08/12/30 18:25 :SH901iC :Z9srDs2E
#126 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲
集会
▲▽▲▽▲▽▲
:09/01/01 10:30 :SH901iC :XAv2cR7M
#127 [ゆーちん]
目が覚めると、人の温もりを感じた。
誰かに包まれている。
初めての感覚だった。
人の温もりに包まれてるなんて…。
少し、体を動かしてみた。
左肩が痛かったから。
:09/01/01 10:31 :SH901iC :XAv2cR7M
#128 [ゆーちん]
すると、私を包んでくれていた哲夫は低く唸った。
「んんーっ。」
「…。」
起こしちゃいけないと思い、また目を閉じてじっとしていた。
どうやらまた眠ってしまい、再び目を開けると、なぜか哲夫が私を見ていた。
:09/01/01 10:31 :SH901iC :XAv2cR7M
#129 [ゆーちん]
「あ、起きた。」
「…。」
「なぁシホ。片付けるって意味わかるか?」
哲夫が笑った。
「…あ。」
服も靴も何もかも、全く片付けないで眠ってしまった事を思い出した。
「やっぱ、しつけ本買うべきかなー?」
「…ごめん。」
「一緒に片付けっか。」
:09/01/01 10:33 :SH901iC :XAv2cR7M
#130 [ゆーちん]
哲夫が起き上がると、温もりが薄れた。
それもそのはず。
下着だけしか身につけていないんだ、私。
「パジャマ買っただろ?何で下着姿なわけ。もう初冬だぞ?」
煙草に火をつけた哲夫。
「シホは煙草吸わないの?」
「吸わない。」
「そ。」
:09/01/01 10:33 :SH901iC :XAv2cR7M
#131 [ゆーちん]
「哲夫。」
「はいよ。」
「いつ帰って来たの?」
「2時ぐらい。」
「今日も集会あるの?」
「あるよ。行きたい?」
「ううん。」
「そ。なら留守番ね。」
「うん。」
:09/01/01 10:35 :SH901iC :XAv2cR7M
#132 [ゆーちん]
時計を見ると12時を迎えようとしていた。
どうりでお腹が空くわけだ。
「シホ。お腹空かない?」
「空いた。」
「昨日の昼から何も食べてないんだわ、俺。」
私は、いつから食べてないんだろう。
一昨日の昼からだから…丸2日かな。
:09/01/01 10:35 :SH901iC :XAv2cR7M
#133 [ゆーちん]
最後の食事はサンドイッチだった。
萌子として、友達と昼ご飯を食べた。
そして、昨日、萌子は死んだ。
私はシホになった。
シホになってから、まだ水一滴たりとも口にしていない。
今、やっと空腹感に襲われた。
あぁ、生きてるんだって思えた。
:09/01/01 10:36 :SH901iC :XAv2cR7M
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