闇の中の光
最新 最初 🆕
#6 [ゆーちん]
痛くない死に方がいいな。


静かに、楽に、安らかに。


だとしたら今考えた死に方は全てダメ。


拳銃で頭をぶち抜けば一瞬なんだろうな…。


でも、ここは日本。


拳銃なんか簡単に手に入る訳ない。

⏰:08/12/28 20:50 📱:SH901iC 🆔:dum.zBc6


#7 [ゆーちん]
「はぁ。」


自然にため息が出た。


「ため息ついてると幸せ逃げるよ、萌子!」

「あぁ、うん。そうだね。エヘヘッ。」


何が幸せだよ。


幸せって何?


人の気も知らないで、幸せ逃げるよ、とか簡単に言ってんじゃないよ。

⏰:08/12/28 20:51 📱:SH901iC 🆔:dum.zBc6


#8 [ゆーちん]
ムカつく。


何の悩みもなさそうに笑っている友達がムカつく。


その友達に合わせて、無理矢理笑顔を作った自分にもムカつく。


「今日買い物行かない?」

「あっ、いいね!」

「私も行く!」

「萌子は?」


聞かなくても、答えはわかるでしょ?

⏰:08/12/28 20:52 📱:SH901iC 🆔:dum.zBc6


#9 [ゆーちん]
「もちろん行くよ!」


得意の笑顔を咲かせた。


「じゃあ決まり!」


断れるわけない。


断ると、友達なくすから。


そもそも、こいつらを友達だなんて呼ぶのもおかしい話だ。


こんな…上辺だけの付き合いをしている女たちを。

⏰:08/12/28 20:52 📱:SH901iC 🆔:dum.zBc6


#10 [ゆーちん]
「彼氏がプレゼントしてくれてぇ。」

「いいなぁ。うちの彼氏なんて全然だもん。」

「でもイケメンじゃん!」

「まぁ顔はいいんだけどね。」


上辺だけの、その【友達】たちは恋愛話を楽しそうに繰り広げる。

⏰:08/12/28 20:53 📱:SH901iC 🆔:dum.zBc6


#11 [ゆーちん]
「萌子は?彼氏とどうなの?」

「順調だよー。」

「そっかぁ。よかったね!」

「うん。」


ちっともよくない。


彼氏なんか必要なの?


本当は彼氏いらない。


みんなが彼氏を作ったから、私も作った。


ただそれだけ。

⏰:08/12/28 20:54 📱:SH901iC 🆔:dum.zBc6


#12 [ゆーちん]
みんながいらないって言うなら、私も彼氏を作らない。


みんなが、みんなと、みんなで…。


誰かに合わせてないと生きていけない、そんな集団なの、私がいるグループは。


みんなが派手だから派手にする。


みんなが泣くから泣く。


みんなが笑うから笑う。

⏰:08/12/28 20:54 📱:SH901iC 🆔:dum.zBc6


#13 [ゆーちん]
正直、疲れた。


上辺だけの友達といるのも。


上辺だけの彼氏といるのも。


上辺だけの…家族といるのも。


もう、疲れた。


「ただいま。」


みんなと買い物に行って、晩ご飯を食べに行くという流れになったが、私はそれを断って家に帰って来た。

⏰:08/12/28 20:55 📱:SH901iC 🆔:dum.zBc6


#14 [ゆーちん]
「遅い。何してたんだ!」


父親が怒鳴った。


上辺だけの父親が。


「学校で居残りして、課題に必要な資料調べてた。」

「嘘つくな!」

「本当だよ。」

「ったく…さっさと夕飯の仕度しろ!」

「うん。ごめん。」

⏰:08/12/28 20:58 📱:SH901iC 🆔:dum.zBc6


#15 [ゆーちん]
部屋に荷物を置き、着替えを済ませてキッチンに向かった。


今日も母はいない。


また男のとこか…。


「焼きそばでいい?」

「何でもいいから早く作れ!」

「…うん。」


私の両親は、本当の両親ではない。


本当の両親は、知らない。

⏰:08/12/28 20:59 📱:SH901iC 🆔:dum.zBc6


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194