闇の中の光
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#10 [ゆーちん]
「彼氏がプレゼントしてくれてぇ。」
「いいなぁ。うちの彼氏なんて全然だもん。」
「でもイケメンじゃん!」
「まぁ顔はいいんだけどね。」
上辺だけの、その【友達】たちは恋愛話を楽しそうに繰り広げる。
:08/12/28 20:53 :SH901iC :dum.zBc6
#11 [ゆーちん]
「萌子は?彼氏とどうなの?」
「順調だよー。」
「そっかぁ。よかったね!」
「うん。」
ちっともよくない。
彼氏なんか必要なの?
本当は彼氏いらない。
みんなが彼氏を作ったから、私も作った。
ただそれだけ。
:08/12/28 20:54 :SH901iC :dum.zBc6
#12 [ゆーちん]
みんながいらないって言うなら、私も彼氏を作らない。
みんなが、みんなと、みんなで…。
誰かに合わせてないと生きていけない、そんな集団なの、私がいるグループは。
みんなが派手だから派手にする。
みんなが泣くから泣く。
みんなが笑うから笑う。
:08/12/28 20:54 :SH901iC :dum.zBc6
#13 [ゆーちん]
正直、疲れた。
上辺だけの友達といるのも。
上辺だけの彼氏といるのも。
上辺だけの…家族といるのも。
もう、疲れた。
「ただいま。」
みんなと買い物に行って、晩ご飯を食べに行くという流れになったが、私はそれを断って家に帰って来た。
:08/12/28 20:55 :SH901iC :dum.zBc6
#14 [ゆーちん]
「遅い。何してたんだ!」
父親が怒鳴った。
上辺だけの父親が。
「学校で居残りして、課題に必要な資料調べてた。」
「嘘つくな!」
「本当だよ。」
「ったく…さっさと夕飯の仕度しろ!」
「うん。ごめん。」
:08/12/28 20:58 :SH901iC :dum.zBc6
#15 [ゆーちん]
部屋に荷物を置き、着替えを済ませてキッチンに向かった。
今日も母はいない。
また男のとこか…。
「焼きそばでいい?」
「何でもいいから早く作れ!」
「…うん。」
私の両親は、本当の両親ではない。
本当の両親は、知らない。
:08/12/28 20:59 :SH901iC :dum.zBc6
#16 [ゆーちん]
私を生んですぐに施設に預けた本当の両親は、生きているのか死んだのか…そんなの全く知らない。
養子として今の両親である金河夫妻に引き取られたのは7才の時。
最初は仲のいい、本当の親子みたいだった。
:08/12/28 20:59 :SH901iC :dum.zBc6
#17 [ゆーちん]
子供に恵まれる事はないといわれた母の体が理由で、私を養子として迎え入れてくれた。
本当の子供のように可愛がってくれてたのはいいが、数年前に父が浮気をした。
それがきっかけで仲のいい家族ごっこが終わった。
:08/12/28 21:00 :SH901iC :dum.zBc6
#18 [ゆーちん]
母は怒り狂い、そのストレス発散方法として私を選んだ。
殴る、蹴る、引っ張る…何でもありかよって感じ。
毎日毎日、痛くて痛くて…この頃から私の心は暗闇に包まれた。
父は母に何度も謝った。
だけど母は父を許さなかった。
:08/12/28 21:01 :SH901iC :dum.zBc6
#19 [ゆーちん]
母のストレス発散方法が変わったのは2年前。
私が高校生になった時だった。
父にされた事を、母もし始めた。
他所に男を作り、家事放棄。
そんな母に父は何も言わなかった。
なぜ何も言わないの。
:08/12/28 21:02 :SH901iC :dum.zBc6
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