闇の中の光
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#306 [ゆーちん]
文句を言いながらでも父は萌子が作った料理を食べてくれた。


あの青い箸で。


それが何だか家族らしくって、それだけが心安らぐ物だった。


こんな気持ち、萌子にしかわかりっこないよね。


哲夫にはわかんないよ、きっと。

⏰:09/01/05 18:27 📱:SH901iC 🆔:R4f3CKXI


#307 [ゆーちん]
「ピンクとグリーン?」

「うん。グリーン嫌?」

「嫌じゃねぇけど…普通、色違いにすんなら赤と青だべ。」


それは、いや。


赤、青、黄は…いや。


「普通なんてつまんない。みんなと違う方がいい。」

「まぁ、それもそうだけど。じゃあピンクとグリーンでいっか。」

⏰:09/01/05 18:28 📱:SH901iC 🆔:R4f3CKXI


#308 [ゆーちん]
哲夫に初めて自分からねだって買ってもらった物。


次の日の昼、さっそく使う事にした。


「つるつる〜。」


割り箸とは違う手触りに、哲夫は子供のように笑ってた。


そんな哲夫を見て、また心のどっかがウズウズした。

⏰:09/01/05 18:29 📱:SH901iC 🆔:R4f3CKXI


#309 [ゆーちん]
▽▲▽▲▽▲▽

トラウマ

▽▲▽▲▽▲▽

⏰:09/01/06 17:21 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#310 [ゆーちん]
自殺失敗から1ヵ月以上が経った。


波風立たない生活を過ごしていた私と哲夫。


だけど急に波が荒れた。


風が吹いた。


些細な事がきっかけで、事件が起こった。


私を苦しませた、ちょっとした事件が。

⏰:09/01/06 17:21 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#311 [ゆーちん]
その日もいつものように集会に来ていた。


のんちゃん達と、あの芸能人がカッコイイとか不細工だとか、そんな話をしていた。


他愛もない、楽しい会話。

⏰:09/01/06 17:22 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#312 [ゆーちん]
「殺すぞっ!」


その場に相応しくない言葉が響いたのは、のんちゃん達と笑いあったすぐの事だった。


私たちのグループの隣にいた男の子2人が言い争いを始めた。


じゃれあいなんて日常茶飯事。


だけど、これはじゃれあいなんかじゃない。


…喧嘩だ。

⏰:09/01/06 17:27 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#313 [ゆーちん]
「あぁ?お前もっかい言ってみろ!」

「調子乗ってんじゃねぇぞ、てめぇ!」


初めてチーム内での喧嘩を目の当たりにした。


驚きの次に私を襲ったのは、恐怖だった。


「殺されてぇのか!」

「あぁ?」

⏰:09/01/06 17:27 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#314 [ゆーちん]
その大声と怒鳴り声。


私をシホから萌子に戻させた。


父から受けた虐待が脳裏に浮かぶ。


やめて、怖い。


声を、出さないで。


震える体は、喧嘩している2人の方を向いて動かない。


見たくないのに、目が2人から離れない。

⏰:09/01/06 17:28 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#315 [ゆーちん]
「ちょっと、やめなよー。」


のんちゃんたちが慌てて止めに入る。


が、止められれば止められるほど興奮してしまうのだろう。


声が余計に荒くなった。


「ふざけんな!離せ!」

「お前なんか殺してやるよ!」

⏰:09/01/06 17:31 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


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