闇の中の光
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#317 [ゆーちん]
「いや…やだよ…」
無意識に呟いていた。
恐くて恐くて、息がうまくできない。
「シホちゃん?」
みんなが私の異変に気付いた時には、苦しくて苦しくて息ができなかった。
「助けて…テツ…」
:09/01/06 17:33 :SH901iC :jYt3qmaQ
#318 [ゆーちん]
知らないうちに涙も出ていた。
喧嘩する2人と、それを止める人の声。
私を心配する声。
そして…
「おい!シホ!」
哲夫の声も聞こえた。
:09/01/06 23:35 :SH901iC :jYt3qmaQ
#319 [ゆーちん]
哲夫の匂いが鼻につく。
近くに来てくれたんだ。
「シホ、おい!どうした?」
駆け付けてくれた哲夫は、私を抱き抱えた。
やっと、やっと目が喧嘩する2人から離れた。
目に映るのは、哲夫の顔だけ。
:09/01/06 23:36 :SH901iC :jYt3qmaQ
#320 [ゆーちん]
「テツ…怖い…」
「何?俺が怖いの?」
慌てている哲夫を見たのは初めてで、なんだか余計に涙が出てしまった。
首を横に振る私を見た哲夫は、すぐに喧嘩している2人に言った。
:09/01/06 23:36 :SH901iC :jYt3qmaQ
#321 [ゆーちん]
「お前ら、ちょっと静かにしろ。」
哲夫の低くゆっくりした言葉に、さっきまで怒り狂ってた2人は悔しそうに言い合いを辞めた。
一気に、チーム全員の目が私と哲夫に向く。
:09/01/06 23:37 :SH901iC :jYt3qmaQ
#322 [ゆーちん]
「康、車出してくれ。」
「おっ、おう。」
私は哲夫に抱っこされ、康孝の車に向かった。
『シホちゃん。』と、のんちゃんたちの声が聞こえたけど、息苦しくて何も言い返せなかった。
何でこんなに苦しいんだろう。
死にそうに、苦しい。
:09/01/06 23:38 :SH901iC :jYt3qmaQ
#323 [ゆーちん]
車に乗り込み、哲夫は家まで走らるよう康孝に言った。
うるさい車が走り出す。
「テツ…」
息が、できないんだ。
それすら伝えられない。
名前を呼ぶのに必死。
「シホ…死ぬなよ。」
:09/01/07 15:17 :SH901iC :K673H/..
#324 [ゆーちん]
さっきまで堂々としていた哲夫の表情が一気に弱くなった。
涙でぼやけてよく見えないけど、でも絶対…哲夫は焦っている。
哲夫に迷惑かけている。
「ごめ…ね…」
「いいから。無理に喋んなよ。」
:09/01/07 15:18 :SH901iC :K673H/..
#325 [ゆーちん]
涙が止まらない。
苦しい。
「おい、康。家へ連れて帰るより病院のがいいのか?」
「わかんねぇよ。すげぇ苦しそうだし…もしかして過呼吸じゃね?」
…過呼吸?
あぁ、そうだ。
過呼吸だよ。
萌子の時、よくなったじゃん。
過呼吸なら、対処法はわかる。
:09/01/07 15:19 :SH901iC :K673H/..
#326 [ゆーちん]
「袋…」
「え?」
哲夫に聞き返され、もう一度『袋。』と答えるだけでも苦しい。
「袋なんかねぇよ。康、お前持ってる?」
「ない。」
私は両手を口元にあて、わずかながらも二酸化炭素を吸う努力をした。
:09/01/07 15:20 :SH901iC :K673H/..
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