闇の中の光
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#337 [ゆーちん]
「そんじゃ、もう大丈夫だろうから俺帰るわ。」


そう言って康孝が帰ったすぐ、家の中の電気は真っ暗に消された。


「哲夫、ごめん。迷惑かけて…」


いつものように私の隣に潜り込み、ベットに寝転がると、哲夫は私を包み込んだ。

⏰:09/01/07 15:28 📱:SH901iC 🆔:K673H/..


#338 [ゆーちん]
「迷惑じゃねぇよ。でもすっげぇ心配した。」

「ごめんなさい。」


哲夫の腕の中はいい匂いで、温かくて、気持ち良い。


「謝るな。俺が悪い。ごめんな。」


哲夫が謝る理由なんか1つもないのに…何で謝ってんの?

⏰:09/01/07 15:29 📱:SH901iC 🆔:K673H/..


#339 [ゆーちん]
「怖かっただろ。ごめん。」


その優しい言葉に、おもわず涙が出そうになった。


うん、怖かったよ。


だけどそんなの素直に言えなくて…ただ黙って、哲夫の腕の中で目を閉じる事しかできなかった。

⏰:09/01/07 15:29 📱:SH901iC 🆔:K673H/..


#340 [ゆーちん]
過呼吸は、萌子の時に何度も経験した。


そのたび、自分で口に袋をあてて対処した。


あんなの慣れっこだったのに、久しぶりだったもんだから。


それにシホとしての過呼吸は初めてで…正直戸惑ったんだ。


自分で自分の事、わかんなくなってきてるかも。


自分が自分を理解できていない…。

⏰:09/01/07 15:32 📱:SH901iC 🆔:K673H/..


#341 [ゆーちん]
あの喧嘩事件から3日後、私は集会に顔を出した。


それまでの2日間は哲夫だけの参加。


顔を出すだけですぐに帰って来てくれた。


久しぶりの集会は、少し緊張した。

⏰:09/01/07 15:33 📱:SH901iC 🆔:K673H/..


#342 [ゆーちん]
「シホちゃん!」

「もう大丈夫?」


みんなの心配が、嬉しかった。


萌子の友達は、心配するっていう言葉を知らない奴らばっかだったから。


「ありがと。もう大丈夫だから。」


のんちゃん達と話していると、『シホさん。』と名前を呼ばれた。


振り返ると、喧嘩していたあの2人がいた。

⏰:09/01/07 15:33 📱:SH901iC 🆔:K673H/..


#343 [ゆーちん]
私が振り向くなり、頭を下げた。


「すみませんでした。」

「金輪際、喧嘩なんかしません。」


え?って顔で遠くにいた哲夫を見ると、ニッと笑っていた。


私は2人に視線を戻し『いえ、大丈夫です。』とだけ答えた。


言い訳や謝罪の言葉が聞こえたが、全部聞き流した。

⏰:09/01/07 15:34 📱:SH901iC 🆔:K673H/..


#344 [ゆーちん]
「許してくれますか?」

「あっ…はい、もちろん。」

「本当すみませんでした。」


もう一度頭を下げてから私の前から去って行った2人。


「あれ?許しちゃったの?」


のんちゃんが言った。

⏰:09/01/07 15:34 📱:SH901iC 🆔:K673H/..


#345 [ゆーちん]
「うん。だって許すも何も、私あの人たちに怒ったりしてないもん。」

「デコピンぐらい喰らわせればよかったのに。」


のんちゃんのエクボを見て、私の顔も緩んだ。


「行こ。」

⏰:09/01/07 15:35 📱:SH901iC 🆔:K673H/..


#346 [ゆーちん]
のんちゃんに手を取られ、みんながいる場所に向かった。


哲夫の手も好きだけど、のんちゃんの手も好き。


人の温もりが心地いいよ。


ねぇ。


ずっとこのままでいたいよ。


それは望んじゃいけないことなのかな?

⏰:09/01/07 15:36 📱:SH901iC 🆔:K673H/..


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