闇の中の光
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#358 [ゆーちん]
「そう。よくできました。はい、目ぇ閉じて。」
催眠術のような哲夫の言葉で、私は再び眠りにつく。
こんな事が何日か続いた。
哲夫は気にするなって言ってくれるけど、そういう訳にもいかない。
別々に寝ようと試したけど、余計に叫んじゃうし、全然眠れない。
:09/01/10 22:38 :SH901iC :mw88GgZk
#359 [ゆーちん]
つまり、私は哲夫の隣じゃないと眠れないの。
結局、哲夫に迷惑かけながら眠る日が続いた。
「ごめんね。」
「悪いと思うなら今日の昼飯はハンバーグにして。」
「…子供みたい。」
「うるせ!」
笑って許してくれる哲夫に、本当感謝だよ。
:09/01/10 22:41 :SH901iC :mw88GgZk
#360 [ゆーちん]
ある日の会話。
康孝に乗せられて、買い物に出掛けていた。
「テッちゃーん。今年のクリスマスどうすんの?」
康孝が聞いた。
「いつも通りだけど。」
「シホちゃんも参加?」
「参加するだろ?」
康孝と哲夫に聞かれたのはいいけど、何の事だかさっぱり。
:09/01/10 22:56 :SH901iC :mw88GgZk
#361 [ゆーちん]
聞くと、毎年12月25日はチームのみんなでクリスマスパーティーをしているらしい。
場所は、いつもの集会場所じゃ寒いから、近くの居酒屋でやるんだって。
「シホも行く?」
「行く。」
生まれて初めて、クリスマスに楽しみができた。
:09/01/10 22:57 :SH901iC :mw88GgZk
#362 [ゆーちん]
買い物中も、クリスマスパーティーの事が楽しみで、胸が騒いだ。
「ヤッちゃん。」
「ん?」
「クリスマスパーティーって、どんな事すんの?」
哲夫が自分の服を選んでいる間、私と康孝は後ろで雑談。
:09/01/10 22:58 :SH901iC :mw88GgZk
#363 [ゆーちん]
「別に普通だよ。飯食って、酒飲んで、カラオケして、ビンゴして。」
「ビンゴ?ビンゴするの?」
「いかつい集団のくせに、可愛いゲームだなって思った?」
康孝が笑った。
違う、そうじゃない。
私が驚いたのは、それが理由じゃない。
:09/01/10 22:58 :SH901iC :mw88GgZk
#364 [ゆーちん]
「私ビンゴした事ない。」
「えっ、マジ?」
「うん。でもやり方はわかるよ!経験ないだけ。」
「そっか。じゃあ楽しみだな。」
「うん、楽しみ!ねぇ、景品って何があるの?」
「当日までのお楽しみ。」
「気になる〜!」
:09/01/10 22:59 :SH901iC :mw88GgZk
#365 [ゆーちん]
なんて話をしていたら、哲夫は買う物が決まったらしくレジに向かう。
この日の哲夫は、カード支払いせずに現金払いが目立った。
万札だけで支払いを済ませ、康孝がお釣りを受け取り、いつもの袋に入れる。
「次行くぞ。」
哲夫の後ろを私と康孝でついて行く。
:09/01/10 23:00 :SH901iC :mw88GgZk
#366 [ゆーちん]
「ねぇ哲夫、ヤッちゃんが持ってるこの袋、お釣り入れ?」
「ん?まぁ、そんなもんだな。」
哲夫に聞いた後、また違う店で服を漁り出したので私は康孝と後ろで待つ。
:09/01/10 23:02 :SH901iC :mw88GgZk
#367 [ゆーちん]
「この袋は哲夫の優しさなんだよ。」
康孝が、さっきの質問の答えを詳しく教えてくれた。
「優しさ?」
「この袋に入れてる金は、チームの経費みたいなもん。集会場所、野外なのにいつも電気点いてんだろ?あの電気代は、この袋の中の金で払ってんの。」
「…そうだったんだ。」
:09/01/10 23:02 :SH901iC :mw88GgZk
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