闇の中の光
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#377 [ゆーちん]
哲夫に迷惑かけて、生かせてもらっているのに…何がフェアじゃない、だよ。
私は、自分の過去を思い出すのが怖いだけの、ただの弱虫じゃないの。
「今日はチキンでも焼く?」
「…イヴだから?」
「うん。嫌?」
「嫌じゃねぇけど…俺はシホの作る煮魚が食べたい。」
:09/01/11 11:34 :SH901iC :/n8N/9j.
#378 [ゆーちん]
「煮魚ぁ?」
思わず笑ってしまった。
「うん。」
哲夫は黙々とクローゼットの整理に励む。
「別にいいけど…クリスマスっぽくないよ、煮魚は。」
「俺日本人だし。別にキリストさんとか興味ないし。だからあえて日本食がいい。」
:09/01/11 11:35 :SH901iC :/n8N/9j.
#379 [ゆーちん]
「興味ないとか言っちゃってぇ…明日クリスマスパーティーなのに。」
「それはー…まぁあいつらがパーティーしたいっつうから仕方なく?」
「クリスマスに恋人がいない人の負け惜しみに聞こえるよ、テッちゃん。」
:09/01/11 11:41 :SH901iC :/n8N/9j.
#380 [ゆーちん]
からかうように私が肩を叩くと、哲夫は『うるせぇ。』とひるんでいた。
そんな哲夫を見て、自然と笑顔が零れてしまった。
「煮魚とご飯とみそ汁!頼んだよシホちゃん。」
「はいはい。」
:09/01/11 11:41 :SH901iC :/n8N/9j.
#381 [ゆーちん]
この前買い物に行った時、魚を買っておいてよかった。
こんな寒い日に買い物に行きたいとは思わないから。
いつの間にか、この家で料理をするのも手慣れたものになっていた。
調理具や調味料や食器。
どこに何があるのか今では全部把握できているはず。
:09/01/11 21:34 :SH901iC :/n8N/9j.
#382 [ゆーちん]
哲夫に言われた3品と、ちょっとしたおかずを作り終わると、お風呂の時間を迎えていた。
衣装部屋から戻ってきた哲夫が『風呂だぞ。』と呼びに来るまで、料理に夢中だった私。
「もうこんな時間?」
「いい匂い。早く風呂入って、飯食おうぜ〜。腹へった。」
:09/01/11 21:35 :SH901iC :/n8N/9j.
#383 [ゆーちん]
いつものように哲夫とお風呂に入り、のんびりと湯舟に浸かる。
体の芯から温まった。
:09/01/11 21:36 :SH901iC :/n8N/9j.
#384 [ゆーちん]
「片付け終わった?」
「あと少し。風呂出て飯食ってから続きする。たぶん集会行く前には終わると思うし。」
「…手伝おうか?」
「んあ?手伝う、イコール、クリスマスプレゼントのつもりか?」
:09/01/11 21:37 :SH901iC :/n8N/9j.
#385 [ゆーちん]
哲夫がニヤッとした。
「あぁ!うん、そう!」
「ナイスアイディアだ哲夫、とか思っただろ〜。」
脇腹をくすぐってくる哲夫。
笑いながら暴れたせいで、お湯も暴れる。
:09/01/11 21:37 :SH901iC :/n8N/9j.
#386 [ゆーちん]
お風呂から出て、和食尽くしの夜ご飯を食べた。
もちろん、色違いのお箸で。
「全然クリスマスっぽくなーい。」
「美味いな〜、煮魚。日本食最高だ。」
まぁ、いっか。
美味いって言ってくれたし。
:09/01/11 21:38 :SH901iC :/n8N/9j.
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