闇の中の光
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#537 [ゆーちん]
「うん、そう。」
私は空を見上げた。
「私も星、好きだよ。綺麗だよね。」
冬の星は、よく輝く。
真っ黒な空に、小さく光る星。
ベストマッチだよ。
:09/01/18 17:26 :SH901iC :.ySjYrww
#538 [ゆーちん]
「綺麗だな。」
哲夫は煙草をくわえながら空を見上げた。
白い煙が空を舞う。
「お前に言っておきてぇんだけどさ。」
「うん?」
「俺、マジでシホの事好きだからな。」
慌てて視線を哲夫に向けた。
だけど哲夫は空を向いたままで…信じられない事を言われた私は、目を丸くする事しかできない。
:09/01/18 17:26 :SH901iC :.ySjYrww
#539 [ゆーちん]
「お前この前、私をペットとかどうとか…私の好きと俺の好きは違うとか…」
ねぇ、心臓が痛いよ。
でもこの痛みは、心地いい方の痛み。
:09/01/18 17:29 :SH901iC :.ySjYrww
#540 [ゆーちん]
「一緒だっつうの。ペットとかさぁ…口実。お前を俺の傍に置いとくための。」
「哲夫、何言って‥」
「一目惚れって、生まれて初めてなんだよ俺。」
ずっと空を見ていた哲夫の目が、やっと私に降って来た。
「汚い格好でボロボロの女が倒れてて…俺なぜかそいつ見て惹かれちゃったんだよね〜。まさか、あんな汚い女に一目惚れするなんて…自分でもビックリ。」
:09/01/18 17:30 :SH901iC :.ySjYrww
#541 [ゆーちん]
真面目な顔して、そんな事言わないでよ。
涙が出そうじゃない。
「殺せ殺せって喚くし、生意気だし、汚いし?」
白い煙と一緒に笑いも吐き出した哲夫。
「お前にとっちゃ同情なんていらねぇんだろうけど…俺はお前の事、可哀相な奴だなって思ったよ。だから余計に惹かれた。こいつ、俺より辛い思いしてんだろうなって思った。」
:09/01/18 17:30 :SH901iC :.ySjYrww
#542 [ゆーちん]
「…。」
何も言えない。
何も言っちゃいけない。
哲夫の話をゆっくり聞きたいから。
:09/01/18 17:31 :SH901iC :.ySjYrww
#543 [ゆーちん]
「お前と俺の好きは一緒だ。あ、やっぱ違うか。俺の好きのがお前よりでけぇわ。」
そんな嬉しい言葉、笑って言わないで。
涙が、出て来たよ。
「嘘…」
小さく呟いた独り言も哲夫は聞き逃さなかった。
:09/01/18 17:32 :SH901iC :.ySjYrww
#544 [ゆーちん]
「嘘じゃねぇよ。俺は好きな奴にしかキスしないし、髪切ってやったり、服とか携帯買ったりもしないぞ?それに…星の反対の名前だなんて付けないし。」
俯きながら涙を地面にポトポト落とした。
:09/01/18 17:33 :SH901iC :.ySjYrww
#545 [ゆーちん]
「俺のSEXに、お前は愛を感じねぇのか?」
哲夫が笑った。
愛って、何だろう。
哲夫とSEXした時に感じたもの?
快楽以外の…あの感情の事?
胸がキュッて締め付けられて、体中電気が走って、たまらなく抱きしめたいって思わされる…あれ?
:09/01/18 17:33 :SH901iC :.ySjYrww
#546 [ゆーちん]
だったら、私はSEXしている以外の時も哲夫の愛を感じてるよ。
一緒にいるだけで感じさせてもらってる。
そっか…。
あれが、愛なんだ。
「…感じる。」
「だったら余計な事とか考えんな。夜中に騒ぐのも迷惑とか思ってないし。俺はお前の味方だから。」
:09/01/18 17:34 :SH901iC :.ySjYrww
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