闇の中の光
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#583 [ゆーちん]
「のんちゃん。」
「あけおめ!今年も仲良くしようね〜。」
いつもと変わらない笑顔がそこにはあった。
まるで、あの日の惨劇なんて最初っから無かったかのような笑顔。
「のんちゃん…体、だいじょ‥」
「気にしないで!ただの打撲だし。心配かけてごめんね。」
:09/01/20 21:34 :SH901iC :F4H0SjdY
#584 [ゆーちん]
心配する私をよそに、明るい表情のままののんちゃん。
「私の方こそ本当ごめんなさい。私のせいで、のんちゃん…」
「あぁー、シホちゃん、そういうの無し無し。誰のせいでもないよ。現に私は超元気なわけだし、結果オーライじゃん?」
:09/01/20 21:35 :SH901iC :F4H0SjdY
#585 [ゆーちん]
「でも…」
「本当に大丈夫だから。あんなの一々気にしてたら、これからやってけないよ?だからほら、笑って!」
終始笑顔ののんちゃんにつられ、少しだけの笑顔が浮かんだ私。
本当に許してもらっていいのだろうか。
:09/01/20 21:36 :SH901iC :F4H0SjdY
#586 [ゆーちん]
なんだか納得いかない気もするけど、話はそのまま流れてしまい、場内に康孝の声が広がった。
「はーい、注目!みんな、あけおめ。まずはテッちゃんから挨拶と報告がありまーす。」
続いて哲夫の声が響く。
:09/01/20 21:36 :SH901iC :F4H0SjdY
#587 [ゆーちん]
「あけましておめでとうございまーす。今年もよろしくっつう事で、さっそくみんなに報告。この前の仕返し、明日行くつもりだから、いつもの時間にここ集合。女子と新人はついて来んじゃねぇぞ?はい、以上。」
「つーわけだ!わかったか?」
:09/01/20 21:37 :SH901iC :F4H0SjdY
#588 [ゆーちん]
康孝の付け足した問いに、みんなが返事を返した。
いつもより、気合い入ってる返事。
隣にいたのんちゃんや、他の女の子も、返事に力が入ってた。
:09/01/20 21:39 :SH901iC :F4H0SjdY
#589 [ゆーちん]
「うちらのかたき、哲夫さんに取って来てもらわなきゃね!」
のんちゃんが笑って言った。
「…うん。」
複雑なの、心の中が。
仲間が私の過ちを許してくれたり、好きな人が誰かを殴りに行ったり、元カレが敵だったり、もうすぐ萌子に戻らなきゃいけなくなったり。
色んな感情が混ざりあった私の頬を、冷たい風が撫でてった。
:09/01/20 21:40 :SH901iC :F4H0SjdY
#590 [ゆーちん]
早めの解散で、のんちゃん達とは明後日会おうねと笑顔で別れた。
哲夫の肩に抱かれながら、夜道を歩く。
「綺麗だね、星。」
「冬の夜空が1番だな。」
歩きながら二人で見上げた綺麗な夜空。
:09/01/20 21:41 :SH901iC :F4H0SjdY
#591 [ゆーちん]
何が引き金だったと言う訳ではなく、突然、私の目から涙が零れた。
「…ねぇ。」
「んー?…っつか何泣いてんだよ!」
慌てて立ち止まった哲夫。
涙でぼやけて、その驚いた哲夫の顔が上手く見えないよ。
:09/01/21 10:39 :SH901iC :FXDa00ZA
#592 [ゆーちん]
「哲夫に…伝えたい事…まだまだ、いっぱい…ある。」
「あぁ?何言ってんだよ。つーか泣くな。」
「でも…何から話せばいいのか…わかんないし…上手く話せない…かもしんないし…」
「今でも全然上手く話せてないぞ。ほら、もう泣くな。」
:09/01/21 10:43 :SH901iC :FXDa00ZA
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