闇の中の光
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#53 [ゆーちん]
子鬼の声だろうか、天使の声だろうか。


だけど、どっちでもなかった。


なぜか私の目の前に映り込んだのは、金髪頭の人間だった。


「おい。大丈夫か?」


…は?


大丈夫じゃ困るんだけど。


私、死んだんだし。

⏰:08/12/29 15:59 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#54 [ゆーちん]
「医者に診てもらう?」


…医者?


死んだのに、まだ医者が必要なの?


「お前、名前は?」


ねぇ…。


もしかして私、死んでないの?

⏰:08/12/29 16:00 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#55 [ゆーちん]
思わず体が起き上がる。


ゴツンッ…


「いってぇー!」


うん、痛い。


頭と頭がごっつんこ。


何で私、生きてんの。


てか、ここどこ?

⏰:08/12/29 16:00 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#56 [ゆーちん]
「地獄?」

「は?」

「生きてんの?」

「何言って‥」

「私、生きてんの?」


金髪頭の男は私の質問に答えた。


「生きてるよ。」


その5文字を聞いた途端、泣きそうになった。

⏰:08/12/29 16:01 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#57 [ゆーちん]
死ねなかったんだ。


最悪。


心臓を狙ったはずなのに、まさか急所外れ…って、あれ?


どこにも傷がない。

⏰:08/12/29 16:01 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#58 [ゆーちん]
何がどうなっているのか、全く理解できない。


「名前は?」

「え?」

「名前。」

「てゆーか、あんた誰よ。」

「俺?俺は天下無敵の哲夫様。」


…哲夫?


聞いた事のない名前。

⏰:08/12/29 16:02 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#59 [ゆーちん]
「誰?」

「だから哲夫だってば!千早哲夫。」


そう言って哲夫は笑った。


「で、あんたは?」

「私、死んだはずなんだけど!何で生きてんの?」

「はぁ?」

「ナイフで心臓ひとつきにして、私は死んだの!」

「頭でも打った?」

「てゆーか、ここはどこ?」

⏰:08/12/29 16:03 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#60 [ゆーちん]
完全にパニック状態だった。


そんな私に、哲夫は教えてくれた。


「俺がお前を見付けた時、右手にナイフ握ってたけど普通に息してたぞ。」

「嘘だ…。」

「お前が握ってたナイフ、これだろ?」


そう言って哲夫が取り出したナイフ。

⏰:08/12/29 16:04 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#61 [ゆーちん]
あぁ、そうだ。


その綺麗なナイフで、綺麗な星空の元、綺麗に死ぬつもりだったんだ。


「このナイフ、俺の。」

「え?」

「護身用に持ってんの。それがどうした事か、なぜか倉庫前に落として来ちゃったみたいで。探しに行ったらナイフ握ったあんたが倒れてたってわけ。」

⏰:08/12/29 16:04 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#62 [ゆーちん]
えっ、それじゃ私…自殺する前にマジで力尽きて気を失ってた訳?


何それ信じられない。


最悪。


「呼び掛けても起きないから、とりあえず俺んち連れて来た。」

「ここ、あんたんちなの?」

「救急車呼ぶにも、携帯は家に忘れてたし。お前運んでここ到着したのはいいけど、かなり疲れてたから、そのまま俺も寝ちゃったんだわ。」

⏰:08/12/29 16:05 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


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