闇の中の光
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#643 [ゆーちん]
この人には、敵わない。
どうしてそんなに優しいの。
哲夫にしても康孝にしても、のんちゃんにしても。
シホとして出会った人たちは、みんな素敵な人ばかりだ。
:09/01/24 18:22 :SH901iC :JFMqBZYE
#644 [ゆーちん]
哲夫の顔を見上げると、私を見下ろしながら頷いてくれた。
のんちゃんには、話そう。
ていうか、話しを聞いてもらいたい。
同情とかが欲しいんじゃない。
のんちゃんへの気持ちは、哲夫に話したいって思った時の感情と同じようなもの。
大切な人だからこそ、私を知っていてもらいたい。
:09/01/24 18:22 :SH901iC :JFMqBZYE
#645 [ゆーちん]
「のんちゃん、ごめん。本当は言うつもりはなかったんだけど、実は‥」
「望実、うち来い。」
いきなり哲夫が言ったその言葉にのんちゃんは驚いていた。
「えっ、いやっ…それは…」
「集会中は人がいっぱいいるからマシだけど、今は3人だ。だからすっげぇ寒い。女は体冷やすなって小学校で習っただろ?」
:09/01/24 18:23 :SH901iC :JFMqBZYE
#646 [ゆーちん]
のんちゃんは遠慮していたけど、哲夫の命令だとすれば話しは別…らしい。
「のんちゃんは哲夫の家に来た事ないの?新人の時に掃除とか。」
「うん。私はそのルールが決まる前からチームに入ってたの。」
:09/01/24 18:24 :SH901iC :JFMqBZYE
#647 [ゆーちん]
と、なると…やっぱり緊張するのかな。
チームのリーダーである哲夫の家に行くという事は。
3人で歩く帰り道は、なんだか違和感たっぷりで…私まで緊張してしまった。
そんな私の肩から手を下ろし、煙草を吸う哲夫だけは平然としていたけどね。
:09/01/24 18:24 :SH901iC :JFMqBZYE
#648 [ゆーちん]
家に着くと、のんちゃんの表情は益々堅くなった。
「失礼しますっ!」
「そんな力まなくても。」
「いや、だって哲夫さんの家だし…」
すると、哲夫は笑いながら言った。
「シホの家でもあるんだぞ。ツレん家に入るだけなのに、そんなカチカチになる必要ねぇよ。」
:09/01/24 18:25 :SH901iC :JFMqBZYE
#649 [ゆーちん]
それを聞いたのんちゃんの表情は、少し緩んだ。
私も、緩んだ。
私の家でもあるんだって、この家。
それって、すごい嬉しい事だよね。
なんだか心がキュンとなる。
「それじゃあ、おっ…お邪魔します!」
:09/01/24 18:26 :SH901iC :JFMqBZYE
#650 [ゆーちん]
「リラックスしてね?そんな緊張されてちゃ、私も緊張しちゃうよ。」
「あっ、うん。そうだよね。」
「何か飲む?」
「ううん、お構いなく!」
「…紅茶でいい?」
「あっ、うん。じゃあ紅茶で。」
どっちだよ、とツッコミたくなるほどだった。
:09/01/24 18:27 :SH901iC :JFMqBZYE
#651 [ゆーちん]
いつものリラックスしたのんちゃんとは別人。
でもなんか、可愛かった。
のんちゃんのそういう性格、好きだな。
「哲夫は?」
「俺はいらなーい。ビール飲む。」
:09/01/24 18:28 :SH901iC :JFMqBZYE
#652 [ゆーちん]
のんちゃんにはソファーに座って待っててもらい、私と哲夫はキッチンに。
哲夫が冷蔵庫を漁りながら、声をあげた。
「望実ぃー!」
ソファーから立ち上がったのんちゃんは、元気な返事をする。
「はいっ!」
:09/01/24 18:29 :SH901iC :JFMqBZYE
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